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disagreeable!
13


追っ手の来る様子はない。
そう鍛えられたからか、もともとの血か、無意識に周りを探ってしまう癖が付いている。
だから今までにエドワードの周りに不審な行動をする人物はいなかった。
今のところ、平気なのだろう。
案外探していないのかもしれない。
それならばそれでいい。まだ、この温もりの中にいたい。
今日偶然出会ったジャン。そして、あの日からずっと想い続けていたロイ・・・。
人前でこんなにも感情を曝け出したのはいつぶりだろうか。
少なくとも、母親が死んでからそんなことはなかった気がする。
まだ、自分の心は死んでいなかった。そう、思った気がした。
「・・・ジャン・ハボック・・・、ロイ・マスタング・・・か」
錬金術で壁に小さな穴を作って、警報が作動しないように限られた人間のみ入れる書庫で1冊の冊子を捲る。
調べていたのは今日出会った2人の軍人について。
ロイについては、あのパーティー以降に何度か調べたことがある。
だからジャンについてだ。
彼はやはり見た目からしても力仕事とか労働力としての方が長けているようだ。
「現場に出るタイプってことか。・・・リザ・ホークアイ」
この女性が、ロイを側で支えている人。
「・・・俺は、この人たちを深追いしてはいけないのか・・・?」
わからない。自分がどうすればいいのか。
ブラットレイの家からは逃げ出すことに成功した。
では、それからは?
食料もない。お金もない。行く当てもない。
これでは自分は行き倒れしてしまうではないか。
せっかく、あの家から抜け出せたのに意味がない。
だが、頼る人もいない。
母は自分が幼い頃に死んで、父は行方不明。
唯一の弟でさえも、自分がブラットレイの下に来てから消息を絶ったのだという。
親戚などいない。
誰か、誰か、いないのか・・・?
ふと、脳裏に1人の軍人が現れる。
「・・・泊めて、もらえるかな・・・?」
だめもとだけど、それでもなんとなく大丈夫な気がして脳裏に浮かんだその人の元へと足を進めた。


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あきゅろす。
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