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disagreeable!
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答えを待っていると、その口はゆっくりと開いて、意志の強い声でそう、ハッキリと言ったのだ。
「たとえどんな障害物があろうとも、私は大総統になるだけだよ」
「・・・そか。うん、そうだよな」
「エド?」
「エドワード?」
「ははは」
「「???」」
急に叫んで、急に笑い出したエドワードに、2人の軍人は意味がわからないと不思議そうに、そして心配そうにしていた。
「『エルリック』なんて軍にはいないけど、それでいきなり大総統になっても、ロイはいいの?」
「いい、とは?」
「名も実績も上げていない人間が、いきなり大総統なんて。ロイは許せるのかなって」
「ああ。別に、許せるとかそんなのではなくて大総統がそう認めたならば飛び抜けた何かを持っているのだろう。
 さっきも言ったように、それでも私はその障害物を越していく自信があるがね」
「うん、それでこそロイ・マスタング大佐。その言葉、俺絶対忘れないから」
「私が大総統になったらデートでもしてもらうかな」
「?」
「たーいーさー・・・もしかしてそれを言うために来たんじゃないでしょうねぇ・・・」
「ん?そんなことはないさ」
「・・・ホントですかぁ・・・?ところであの山の書類はどうしたんスか?」
サボりですか?と聞けば、愚問だと言われて、
「もちろん済ませてきたさ。中尉からも許可を取っている」
「・・・うそ・・・」
「本当だ」
「・・・エド、この人はすごいのは何か目的がある時だけだ。ないとサボってうちの中尉を怒らせる厄介な上司なんだ・・・」
「へー」
「・・・ハボック」
「・・・はい?」
「・・・髪の毛が燃えるのと2ヶ月無休と減給。どれがいい」
「どれも嫌です!エド、助けてください!」
「・・・え?何?」
「ええー!」
ぼーっとしていた。
「エドワードは気にしなくていい。そんなことよりエドワードは昼食をとるためにハボックと一緒にいるのではなかったのかね?」
「あ!忘れてた!ジャン!早く行こう!!」
急かすようにハボックの袖を引っ張る。
「私も付き合ってよろしいかな?」
「・・・」
「え?いいよ!」
「・・・エド・・・」
「ん?」
「・・・いえ・・・」
「なんだよ」
「なんだね、ハボック」
「・・・・・・なんでもないです・・・」
「そうか。では美味しくて沢山食べられる店を知っている。今から行くかい?」
「もちろん!!」
ところどころヒヤッとする場面もあったが、出逢った時に比べ自然に笑うようになってくれていることに安心するハボックだった。


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あきゅろす。
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