小ネタ部屋 00*刹ティエA ++++++++++++ 前回の続き ++++++++++++ 「…ティエリア、」 「何だ、刹那」 「俺は悪い夢を見ている気分だ」 「そうか?僕は今までの人生の中で一番幸せな時を過ごしていると思っているが?」 「…でかくなっている」 「そりゃ、子供がいるからな」 「…膨らんできている」 「子供に乳をあげなければいけないからな」 「…こんな非科学的な…」 「ELSが出てきた時点で、科学などあってないような世界になっただろう」 「いや…しかし…」 「刹那は嬉しくないのか?僕との子の存在を」 「…嬉しくないことはないが、やはり急すぎる…もう少し育むものとかあったろうに」 「これ以上何を育むっていうんだ」 「時間に決まっているだろう」 「時間などもう12年以上一緒にいるのに何を言っている」 「互いを想い合う仲になったのはその1割にも満たないだろう」 「…刹那は、つまりは僕との子は望まない、ということか」 「そういうことを言っているわけじゃ―――ティエリア!」 「五月蝿い!刹那が何と言おうと僕はこの子を生む!」 「……ティエリア」 ++++++++++++ 「…はぁ、お前らって面白いほど空回りしてんな」 「…」 「刹那は別に子供が欲しくないわけじゃないんだよな?」 「当たり前だ」 「要するに、まだ2人っきりの時間が欲しかったわけだ」 「…」 「お!何でわかるんだって顔してんな。そりゃわかるさ、刹那のことだからな」 「…俺はお前の気持ちには、」 「言われなくともわかってるよ。だから改めてフってくださんな」 「…すまない」 「んー、謝られるのが一番酷だわ」 「…」 「で?どうすんのさ、ティエリア」 「出来たものは仕方ないだろう」 「そうだわな。ま、成るように成るさ」 「…ああ」 ++++++++++++ 「ひょー!本当にお腹膨らんでるですぅ!」 「何てゆうか…人体の神秘ね…」 「まぁ僕は人間ではないですからね」 「そっそれでも!ミレイナはアーデさんのことが大好きです!」 「ありがとう」 「…相手にもしてくれないですぅ…ぅぅ」 「…」 「――――ティエリア、」 「あら、旦那様のご登場ね」 「…何だ、刹那」 「…あら、険悪な雰囲気」 「話がある。部屋に来てくれないか?」 「…………わかった」 「うえっ、あーでさぁ…ん…」 「…懲りない子ねぇまったく」 ++++++++++++ 「…僕は産むからな」 「別に産むなとは言ってないだろう。ただ、ティエリアはこんか形で子を成していいのか?何か違うんじゃないのか」 「…違くない」 「本当か?」 「刹那がずっと、これから一生僕のモノになるなら順序や道徳的なものは不必要だと思った」 「そこまでして何故、」 「ロックオンが死んだからだ」 「…」 「CBとしてのラストミッションを終え、融和政策が進む中で、僕たちは本当に戦場に出ることはなくなったかもしれない。 だが、それでも人は死ぬ。ある時一瞬で。だから僕はもう後悔したくはないんだ」 「要するに、俺が死んでもいいように身代わりが欲しかった、と」 「違う!何だそのひねくれた答えは!」 「ひねくれているのはお前だ、ティエリア」 「、?」 「愛する人がいる人間が、そう易々と死ぬわけがないだろう」 「…」 「だから不安がる必要はないんた、ティエリア。俺はティエリアをずっと愛してる」 「っ、」 「愛を陳腐なものだと思うか?」 「…そんなこと、」 「ないだろう。だから不安がる必要はないんだ」 「不安がってなど……ない」 「本当か?ティエリアは俺との子がいないとずっと共にいられないと思っているんじゃないのか?」 「……」 「勿論子供が産まれるのは嬉しい。だが、子供などいなくても、俺はティエリアを愛している。忘れるな」 「…刹那…」 「まぁ、まだティエリアと2人っきりでいたかった気持ちもあったがな」 「…すまない、刹那の言う通り不安、だったんだ。いつ刹那が離れていってしまうか。僕は女じゃないし、ましてや人間じゃない」 「そうだな」 「…フェルト・グレイスの元に行ってしまったら…」 「…何故そこでフェルトが出てくる」 「…いいだろう別に」 「誤解されたままでは困る」 「誤解じゃない危惧だ。ライル・ディランディだって不安材料だ」 「ちゃんと断った。安心しろ」 「コクられたのか!?」 「…(墓穴を掘ったか)」 「…あの変態め…許さない…」 「…ティエリア、俺は断ったと言っただろう」 「…だが…」 「何回言わせるつもりだ?俺は、お前が、ティエリアのことが好きだ。愛している。だからティエリアが不安がることはない」 「…………その言葉、信じるぞ」 「ティエリアも、何か言うことはないのか?」 「ッ!!いっ言わなくてもわかるだろう…!!」 「俺の気持ちはわからなかったじゃないか」 「うっ…」 「ティエリア?」 「ッ!!、愛して、るッ!!」 「…ふ、そんな大声じゃなくても」 「〜〜〜〜〜ッッッ!!バカッ!」 ―――その数ヶ月後、2人の間に射撃の腕がピカイチな男の子が産まれたのでした。 ...HAPPY END? [*前へ] |