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世の中は確かに変わりつつある






「あ」

朝のHRの終了のチャイムがあと数分で鳴る、というところでさっちゃんが阿呆そうな声を出した。

「どぉしたのぉ」
「転校生いんの忘れてた。入れ」

えー!?いいの?いいのかそんなぞんざいで!!?
開閉式の教室の扉が開いて、もさもさの夏輝が教室に入ってきた。

「遅ぇ!!」
「あー、ワリィワリィ。つーことで自己紹介」

夏輝サンがキレそうデスヨ千里センセ。
てかあれ?さっちゃん、夏輝に興味ない?生徒と教師の禁断の恋はないの?えー。

「……河嶋夏輝です。宜しく」

何だか釈然としないような顔(見えないけど)であまりにも簡潔すぎる自己紹介をした。

「お前は元の後ろ」

さっちゃんはまったく気にせず夏輝に席を教えた。そんなところで終了のチャイム。
さっちゃんは何も言わずに教室から出て行った。

「夏…」
「元元!」
「よーこそぉ」
「な、なつ、」
「元の後ろってすげぇ嬉しい!」
「俺も嬉しい〜(総受け観察し易くて)」
「あ、あ、」
「うんっ、宜しくなっ!」
「宜しくぅ」
「ぅぅ…」
「あ〜あ、会長泣いちゃったぁ」
「帝いたんだ」

ああ、涙の量が増えたよ、篁。子犬みたいに駆け寄って来てくれたのに。
あまりにも無視しすぎて篁は涙をポロポロ流しているが、無視し続けた夏輝は完全スルーで俺をずっと見ている。会長はMだね。

「いいこいいこ」
「っ!」

あまりにも可哀想で、思わず頭をなでなでしてしまう。篁の顔が一気に真っ赤になったが、恥ずかしいのだろうと思う。

「元様、撫でるなら僕にやって下さい」

寧ろ誰にも触るなオーラを振りまきながら亜希斗に篁の頭を撫でていた左手を掴まれた。

「お前は引っ込んでろ!」
「アナタが引っ込むべきだ。僕は元様の親衛隊隊長なのだから」
「ンなの関係ねぇ!」

…2人はこれからやっていけるのだろうか。

「亜ー希斗、おいでぇ」

両腕を大きく開いて亜希斗を胸元に抱き込んだ。座ってる俺に合わせて亜希斗は中腰だから、楽になるように自分の位置をズラして僅かなスペースに亜希斗の膝を掛けさせた。

「元様…」
「ケンカだぁめ」
「…はい」

いい子だ。と腕に力を入れて抱き締めた。

「…元」
「田沼く、っおい!」
「きゃっ!」

田沼君が静かに近寄ってきて、その表情の暗さに一瞬腰が引けた時、腕の中に抱き込んでいた亜希斗が田沼君によって無理矢理引き剥がされた。
それだけならば自室での時と同じなのだが、今の田沼君は亜希斗を冷たい床に引き倒した。

「何度言えばわかる」
「田沼、く、ンッ」
「元っ!!」
「っ、元様!!」

何のことだ。と言いたかったのに、ソレは田沼君の口の中に強引に呑み込まれた。
舌を絡み取られて歯列を田沼君の舌先でなぞられて、舌先を強く吸われて唇が離れた。
先程のバードキスではない、深い、一方的なキスに教室内は静寂が耳に響くほど静まり返った。

「一司、だ。次は犯すぞ」

もぉ犯されてますけどねぇ。
心の中だけで悪態を吐(ツ)いて、頭を縦に振っておいた。心の中で田沼君呼びやめよう。またポロリと出てきてしまうからね。

⊂(^ω^*)(#^ω^)⊃

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あきゅろす。
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