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中編小説






「答えないと怒るよ」

怒るよと言う神山様も可愛くて、僕はどうしても笑いが止まらなかった。
でも怒られるのは堪ったものじゃないと、僕は頑張って口を開いた。

「神山様、が、可愛らしくて、ふふ」
「…はぁ?」

意味がわからないと神山様は僕を見下ろす。

「普段の綺麗な笑顔とは違う表情が可愛くて」

ふふふ。と笑った。

「…綺麗、ねぇ」
「はい、綺麗です」

何故か一気に冷え切った顔。気にせず言葉を続ける。

「神山様なりに考え見つけた生き方があの綺麗な笑顔なんでしょう。役者のようで綺麗です」

最後褒めているのかよくわからなくなってしまったが、確かな気持ち。

「…気付いてたの?」

何がですか?と聞き返す。

「俺が作り笑い、していたの」

ああ、また悲しそうな顔する。

「ええ、そりゃあ貴方の親衛隊隊長ですから」

悲しそうなその顔を優しく撫でた。無碍になど、出来ないでしょう。

「…気持ち悪く、ない?」
「気持ち悪い?何故?」

今にも雫がその瞳から降ってきそうだ。

「だって、奈津、が、気持ち悪いって、言った…!」

そう言って、神山様は顔を歪める。何がそんなに貴方を苦しめる?

「気持ち悪い訳ないじゃないですか。貴方が生きていく為に、周りの人々が傷付かないように選んだものじゃないですか。寧ろ僕は褒めるべきだと思っていますよ」

本来、まだ青春を謳歌しているような年なのに、神山様は大人でも簡単には出来ない術を身に付けた。
それを否定することなど容易に出来るわけない。

「…俺、君のことを誤解していたみたいだ」
「ふふ、誤解が解けてよかったです」
「…っ」

はにかんだ神山様につられて笑ったら、何故か神山様は顔を赤らめた。

「神山様?大丈夫ですか?」

熱があるのかと、上体を起こして額を合わせた。

「っ…!ックソ!!」
「っ!わっ!」

更に顔の赤くなった神山様によって、乱暴に再びソファに体が沈んだ。

「神山、様?」
「藍沢…、…咲希、咲希は俺の親衛隊で、隊長、なんだよね」
「?はい」

今更何なんだろうと神山様の顔を見ると、その顔は真剣なもので。

「なら、何をしても許されるよね。冬樹何て関係ないよね」
「神山、さ…っ!?」

合わさる唇。咄嗟で開いていた口内に侵入する舌。何をされているか、僕には理解出来なかった。

「っ…!…ん、ふ…っ!はっ」
「咲希、咲希、俺の、モノ」
「ふ、…っ!っ神山様!!」

服の中に入り込んできた冷たい手のひらに、僕はその先を理解した。
思わず腕を突っぱねて体を離したが、服に入り込んだ手のひらと、ズボンのベルトに掛けられた手は離れなかった。

「先程制裁はしないと言いました。だから貴方が身体を売るような行為はしなくていいんです」

忘れてしまったのかと、再度言うが、神山様は眉を寄せて、何故。と訊くだけだった。

「何故って…、そんなの、神山様の為ですよ。こういうのは、本当に好きな人としなければ」
「じゃあ問題ないじゃない」

はい?と思わず聞き返してしまった。だって僕は中西君じゃない。

「俺は咲希が好き。咲希も俺が好きだから親衛隊に入ってるんでしょ。ならいいじゃない」

ならいいじゃないと言う神山様がわからない。
その間にも僕の衣服ははだけていく。抵抗しようともがいた両手はひとつに纏められて頭上にある。

「僕はっ、中西君じゃありませんっ」
「は?そんなのわかってるよ」
「んっ、じゃっ、何故っ」
「だから言ったじゃない。咲希が好きだからだと」

直に柔く握られた僕のソレに、一気に熱が溜まる。

(´ω`*)(#´ω`)

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あきゅろす。
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