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中編小説
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チームメイトと顔を合わせなくなって1週間が過ぎたが、未だに自分は音楽館と呼ばれる音楽の練習場には顔を出していない。
大学の単位だけは取らねばならないのでずっと休むことは叶わなかったが。


「おー、相変わらずピリピリしてることで、剛サン」
「……何の用だ、沢磨」

茶化しに来たこいつは、所謂腐れ縁というやつで中学からの付き合いの東條沢磨だ。
沢磨は剛の首に腕を巻き付ける。

「眉間に皺取れなくなっちゃうよぉ」
「余計なお世話だ」

巻き付けていない方の手で眉間をグリグリと押し付けられて、鬱陶しげにそれを手で払った。

「用がないなら帰れ」
「何、今日も練習しないで帰っちゃうの」

呆れ顔の沢磨から顔を逸らして再び歩き出す。
しかし沢磨はニコニコしながら付いて来て。

「何の用だと言ってる」
「んー?ピリピリムカムカ剛クンに気分転換に俺とデートしてもらおーかと…いでっ!」
「気持ち悪いこと言うな!」

何でこんな奴とデートしなきゃいけないんだ!と鬼の形相で沢磨を睨み付けた。
しかし沢磨は慣れたように唇を尖らせて、例え話だよぉとか言って来る。

「気分転換ってのはホント。久し振りに見に行かない?」

そう言って差し出されたチケットを無意識に手に取ったのは、きっと運命だったのだろう。

(´ω`*)(#´ω`)

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