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中編小説






「よし、これで最後」

今まで使ってきたものは全てダンボールに入れられた。
元々部屋に物を置かない主義だったため、彼に貰ったもの以外だけを集めるとダンボールふたつにしかならなかった。
勿論彼から貰った物は捨てた。



するとタイミングよく携帯が鳴り出した。


『あ、鳴海?』
「タイミングいいな幸樹」

通話の相手は部屋を貸してくれると言ってくれた親友(もとい悪友)からだった。

ダンボールふたつしかないとは言っても、彼に気付かれないようにするには静かに、素早くやる必要がある。
だから一番信頼出来る幸樹に頼んだ。(というか幸樹がやると強引に)

「ちょっと待ってて。今開けるから」
『おうよー』

そう言って通話を切る。

静かに部屋を出て、今でも喘ぎ声の聞こえる部屋の前を通って玄関を開けた。

そこに立っていたのは幸樹だ。

「おけ?」
「うん、お願いするよ」

幸樹を家に招き入れる。
万が一彼が部屋から出て玄関に来ても平気なように幸樹の靴を下駄箱の奥に仕舞う。



「あっあっ、んんっ、ごうっ剛、もっとぉ…!」

「お盛んだこと」
「あはは」

部屋の外まで響く喘ぎ声よりも小さく話しながら自室に2人で入った。


「うわー、見事に何もないな」
「そうか?あ、これ」
「お、はいよ。って軽くないか?」
「これを機に荷物も結構捨てたからなー」

まぁ今は荷物運び。と気持ちを入れ替えて荷物を部屋から運び出す。

やはり彼の部屋のから喘ぎ声が聞こえてきて彼はきっと2人の行動には気付いていないだろう。
気付いていても関係ないのだけれど。

幸樹の靴を下駄箱から出して静かに家を出る。
ポストにたった一言だけ書いた手紙と、家の合い鍵を入れた封筒を投函して。

(´ω`*)(#´ω`)

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あきゅろす。
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