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中編小説





最初は互いに服を着ての撮影。
もつれあうように服を脱がしていくのだが、五月女が先に上半身裸になる。
これはまさしく6パック腹筋ですね!や、俺も6パックですけど。
6パック同士が絡むってやっぱり画面的にムサいと思います。

五月女はまるでセックスをするように滑らかに手を這わせてくる。際どい位置にくると思わず体が跳ねる。
撮影を見守ってるスタッフたちは時々悩ましいため息を零す。まぁ、わからなくもない。

「いい体してるな」

シャツの裾から手を差し込んでくる。

「まぁ、パーツモデルですから」

プチ、プチ、とシャツの釦が外されていく。
シャツが全開になってしまった。
五月女の瞳の奥に欲望の火がチラつくのが見えた。見たくなかったです。きっと役者魂ですねわかります。

「首筋に顔埋めてこっち見てー」

カメラマンさんの指示に五月女は素直に従う。
埋めるだけでいいだろうにチュッと音を立ててキスをしてきた。

「キスマーク付けちゃダメですか?」

「は?」

「いいよー」

「はぁ!?」

すると間髪入れずにキスをしたところに吸い付いた。
まぁぶっちゃけキスマに抵抗はないんですけどね。だってほら、初対面じゃないですか。てか、

「ンなところに付くのか?」

チラ、と五月女の目と合うが唇は離れない。一際強い吸い付きを感じたと思ったら五月女が離れる。

「結構くっきり付くもんだぜ」

と言うのだから上手く付いたのだろう。僅かに敏感になった首筋を指先で触れられる。

「…イイ」

カメラマンの発言は聞こえませんでした。

「これでそれっぽくなっただろ」

それ、ってのは多分エロさとか情事中ぽさのことなんだと思う。

「そのままやっていいよー」

カメラマンの指示が再びくる。それを合図に五月女の唇が俺の胸板に触れ、滑るように下腹までキスされる。
パシャパシャとシャッターを切られるたび、これは撮影なのか、はたまた俺は本当に五月女に抱かれてしまうのかという風にも感じた。

「っ、…やりすぎ、じゃない?」

「常に本気、だと言ってほしいな」

「はい、OKでーす!」

カメラマンが終わりの合図を掛けたが五月女はノロノロと俺の上からどいた。邪魔な!

「どうですか?」

「めっちゃイイ!」

PCで撮った画像を見ながらカメラマンは親指を立ててこちらに向けた。

「いや、やりすぎでしょ…」

鏡を見せてもらったら付いていましたともキスマーク。

「椎葉」

何時の間にか隣に来ていた五月女に目を向けた。

「またな」

その時俺はもう二度と会わないと、高をくくっていました。




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(´ω`*)(#´ω`)

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