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中編小説
:)会長×恵





出会いは中等部の時だった。


初めて見た彼は、小学生がちょっと中学校に入った程度の体躯をしていて、周りの人に簡単に紛れてしまいそうだった。


多分可愛い系の顔をしている。

でも、この学園で人気を博すか、と訊かれたらまだ平凡な部類に入る顔だった。


中等部1年の時、俺と彼は同じクラスになった。

その時、よろしくね、と手を差し出されて、俺は不覚にもときめいた。


それが、彼、萌芽恵との出会いだった。



++++++++++++



萌芽とはそれ以来中等部では同じクラスにはなれなかった。


俺は中等部でも生徒会長を務め、そもそも立場が違ってしまったからというのもあった。

だが、高等部に上がる時国際科に入った。

そして、そこで俺は再び萌芽と出会った。



中等部の時となんら変わりのないその姿がすごく可愛くて、学級委員選出の時萌芽の名を出した。


萌芽はイヤそうな顔をしたが、高等部でも会長を務める可能性の大きい俺の発言だ、生徒側が無碍にはしなかった。



そして、俺は萌芽をことあるごとに頼って、少しでも足りない時間を埋めようとした。



++++++++++++



念願叶って俺は萌芽を後ろからでも前からでも抱きしめる権利を得た。ちょー嬉しい。


告白をした時はふられてしまったが、まぁ結果オーライだ。



「そう…なんだ」

「なんだ、照れているのか?」

「…照れますよ」



抱き込んだ萌芽の背中はやはり小さい。


いつから好きなのか、という質問に俺は今までのことを答えた。

こう考えると、俺は4年以上片思いしていたってことになるのか。時が経つのは早い。



「なぁ、萌芽」

「なんですか?」



顔だけ振り返る萌芽の目元に口づけを落とす。

小さく息を飲んで萌芽は顔を赤くした。可愛い。



「恵、って呼んでもいいか?」



ちょっとドキドキしながら言った。
だけど萌芽の答えは至極あっさりしたものだった。



「会計さんとか書記様とかも呼んでいるので今更ですけど」



あ、なんか今自分の機嫌が急降下するのがわかる。


つーか、今まで有紀のケツ追っかけたくせに、ちょっと萌芽と会話したくらいで惚れやがって。

しかも萌芽は俺と付き合ってるつーのに未だにちょっかい出しやがって。



「じゃあ、恵」

「っ!」

「ん?」

「み、耳元で喋らないでくださ、い」

「今までもずっとここで喋ってたじゃねぇか」



急にもぞもぞと顔を赤くしている萌芽に俺は気付く。



「…恵」

「んっ!」



おお!



「照れてんのか、可愛いな、恵」

「だっ、だから、やめて、くださいっ」

「俺のこと名前で呼んで」

「…」



おい、何でそこで黙る。



「………………浩爾、さん」

「さん、はいらねぇ」

「…浩爾」

「……結構クんな」



おっと、睨まれてしまった。



「そんで敬語もやめてくれっといいんだがな」

「何でそこまで…」

「好きな奴の特別になりてぇって思うだろ」



また萌芽の顔が赤くなる。



「…わかった、浩爾」

「………おお」

「何」

「今からヤるか」

「え、ちょっ!?」



まぁ、ということで今すっげぇラブラブだ。




end

(´ω`*)

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あきゅろす。
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