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  イケナイコト


大好きだ。と、言えたら幸せだろう。

それが言えないのは俺が恋した相手が血の繋がった俺の姉だからだ。


ちなみに今、広い部屋に姉弟と言えど、男と女が二人きり。

そんな状況だというのに彼女は全く気にしていない様子。

さらに部屋着にしても彼女、明良の格好はあまりにもヒドい。


「人の部屋のベッドで何してやがる?」

『ん?見ての通り、』


自分の部屋があるくせにわざわざ雑誌を持参し、俺の部屋にやってきた。

そして、俺のベッドに寝ころんでいる。

その姿は背中が広めに開いたトップスにショートパンツ。

足をパタパタと動かしているため、気になってしまう。

俺なりに本を読んで気を紛らわせようしていたが読書どころではない。


「やっぱり着替えてこい!!」

『めんどくさい。』

「(人の気も知らねーで…)」


明良が少し動く度に横目で見てしまう自分に嫌気がさす。


『あ、景吾って…好きな子いる?好きな子は強がりなタイプ?それとも優しいタイプ?』

「なんだそれ、」

『雑誌に載ってる相性占い。』

「なんのだよ?」

『んー…ま、その辺は聞かないで?』


そう言うとさぁ答えなさい、と命令口調になる。


「……強がりなタイプ、」

『へー…ん、じゃあ次。女の子と一緒に歩いていてラブホの前を通りました。あなたはどうする?1、からかう。2、その場から早く立ち去る。』

「……立ち去る、」

『あら、意外(笑)景吾なら絶対からかうと思った!』


明良は“プレイボーイのくせに”と付け加えた。

彼女は次々質問をし、最終的に答えがたどり着いたようだ。


『……ふーん、』

「なんだよ?」

『え?別に?聞きたかっただけだし?』


さっさと元の位置に戻り、またベッドに横になる。


「なんの相性なんだよ?恋愛か?」

『ちがーう。』


相性占いで恋愛じゃない、明良が読んでいる雑誌は有名なファッション雑誌、その表紙の裏にはエステの広告。

と、くれば答えは出る。


「………セックス相性か?」

『な、んてこと…言うの!?』

「結果出たなら見せろ!そっちのが手っとり早い。」


明良に跨り、雑誌を奪う。

俺の下で暴れるが力で勝てないとわかり、おとなしくなる。


「“あなたは幼なじみや友達に対し、一歩を踏み出せないでいるが根が優しいあなたをきっと受け入れてくれるはず。年上の相手ならなお一層良い。自分と性格が似ているならぶつかり合うことがあるかもしれないがお互いに歩み寄る必要あり。セックス相性はバツグン!”……ねぇー」

『景吾、重いんだけど…』


俺を退かそうと試みる明良。

必死な姿はなんとも愛らしい。


「これ当たるのか?」

『って、聞くけどね?』

「じゃあ、試してみるか。」

『試せば?好きな子って高校時代に同じクラスだった子とか?』


なんてどこまでも鈍感なヤツなんだ。

呆れてものも言えやしねぇ。


「目の前にいつもいる、」


真剣な眼差しで彼女を見ると体を硬直させ、冷や汗をかいていた。


『あ、ちょ…景吾?まさか……』

「そのまさかだ。」


無理矢理顎を掴み、獣が貪るようにキスをする。

逃げる舌を絡め、追いつめる。

舌を解放し、唇を離せば、飲みきれなかった唾液が口の端から伝った。


「ふん、明良が悪いんだぜ?そんな格好で俺の前に来るから、」

『やっ、バカ!!』


服の裾から手を進入させれば、明良の躯が反応した。

背中を少し浮かせ、下着のホックを外し、服をたくしあげれば白くて綺麗な胸が現れた。

丁寧に愛撫していき、キスマークを付け、苦しそうにする明良の服を脱がせた。


『やっ!景吾やめて!!』

「知るかよ。男は“狼”だって知らないわけないだろーが。」

『っ、景吾なんかキライ……キライ!!』


涙を流した明良に躊躇いもせず、ナカを慣らさずに自身をねじ込んだ。


始めは痛がってわめいていた。

しかし、次第に変わっていった。

無理矢理弟に犯されているというものの、明良は確実に反応していた。


「キライって、今言ってたじゃねーか。」

『う、るさい…んぁ、あっ、あぁ!』

「許してくれ……1回だけだから!」


行為自体、許されやしないのに俺はさらに禁句までも口にしてしまう。

最初で最後だと自分に言い聞かせ。


「好きなんだ、」


なにか言いたげだったが俺はなにも聞きたくない故に動きを早めた。

明良の達した瞬間にナカに出すわけに行かず、素早く抜き取り外に放った。

しかし、そんなことをしたところで妊娠しないとは言い切れない。

先走るものでも妊娠すると言われているのだから…気休めだ。


「はぁ…」


行為後、俺は激しく後悔していた。

腕の中で眠る明良を見て、罪悪感だけが俺を支配した。



だから俺は明良を置いてひとり、歩きだした。


「じゃあな、」


一度では足りない、もっと明良を感じたい、手に入れたい――だが、許されないんだ。

そう思った俺は車に乗り込み、アクセルをふかし、明良のいない世界へ向けて走り始めた。

涙を流して―――





イケナイコト
異常な感情を持った俺は罪を犯した





** END **
#2007.2.6
(2007.5.5)



あきゅろす。
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