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薄荷キャンディ


幼なじみには最近彼氏が出来たと聞く。

でも俺は誰がなにを言おうと幼なじみである意味特別な存在、なはず。


「明良〜?」

「今はいないぜよ?」

「げ、仁王。」

「プリッ、」


明良の教室を訪ねて来たのに彼女はおらず、代わりにいたのは彼氏の仁王だった。

なんでこんな奴がいいのか俺にはわからない。


「キャンディ欲しかったのに、」


明良にキャンディを毎日もらいにくるのが俺の習慣だった。

なのに肝心の明良はゴミ捨てに行ったと言う。

俺は仕方なく仁王の正面に腰を下ろした。


「キャンディ?あるぜよ?」

「マジ!?」


さすが仁王、気が利く!

なんて思ったのは一瞬だけで――仁王から渡されたのは俺が嫌いな薄荷キャンディだった。


「……わざとだろ。」

「さぁな、」


幼なじみと言う立場を利用して明良に近づくな、と言われた気分だった。

キャンディもらってるだけだろうが。

そう思うが仁王の態度が気に入らなくて俺は立ち上がっていた。


「宣戦布告だ!絶対に明良を奪う!」

「キャンディのために?」

「ちげぇよ!!俺は明良が好きなんだ!」

「ほー?」


今、勢いでとんでもねぇこと言った気がする。


「なぁ、仁王?俺って明良が好きだったの?」

「(気づいとらんかったんか、コイツ。鈍感もいいところやのう。)」





薄荷キャンディ
それは俺に嫉妬した彼氏からの果たし状でした





** END **

2007.10.17



あきゅろす。
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