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定められた道を


幸せだと思ってた。

やけど、彼女である明良は俺に隠していることがあった。


「なぁ、今日はこの後どうするん?」

『侑士、話があるの……だから、公園行かない?』


俺は彼女を真剣に愛していた。


『侑士に会えて良かった、』

「なんやいきなり。」

『楽しかったし、幸せだった。』


それは彼女も同じだっただろう。


「で?話てなんや?」

『……あ、のね?』


言葉を詰まらせたのちに言った言葉に絶句した。


『私、婚約者がいるの。だから、…わ、かれて?』

「本気なん?それは明良の願いなんか?」


信じたくない、逃がしたくはない。

その一心で彼女の肩を揺さぶった。


『ごめん!!』


しかし、俺の腕を振り解くや彼女は去っていった。

その明良を迎えに来た婚約者が一部始終見ていたなんて知らなかった。


「明良、」

『……景吾。』

「良いのか?」

『うん、』


親同士が決めたことだから仕方ないと思っていたらしい。

金銭面が関わった結婚だから断れなかったのかもしれない。


「明良、確かにおまえを俺様の手中に収めておくのも悪くねえ話だとは思ってる。」


俺は明良に意味も分からずふられ、その場から動けずにいた。

しかし、聞きなれた声を聞いて立ち上がった。

見れば公園の外に二人の姿があったのだ。

俺はすぐに駆け寄った。


「明良!!」

『ゆ、侑士!?』

「跡部、どうゆうことなんや!!」


見れば跡部は今にも明良にキスをしようとしていた。


「明良!ちゃんと説明しぃや!」

「ガタガタうるせぇヤツだ。見りゃわかんだろ、あーん?」


腰に手を回して明良を軽く抱きしめている跡部を見れば想像は大体つく。

しかし、俺はさきの彼女の発言に同意はしていないのだ。


「明良を返しぃ!」

「コイツはものじゃねえよ。」

「やけど、明良の将来は明良のもんやろうが!」


真剣に訴えていた俺を見て跡部が吹き出して笑った。


「明良よ、とんでもねぇ男に捕まっちまったな?」

『…景吾?』

「ご両親たちにはうまく言っといてやるよ。」


婚約破棄だ。

そういうと跡部は踵を翻した。

そして車に乗り込むと窓を開けて不適に笑って俺を呼んだ。


「明良のヤツ、夜もなかなか良い女じゃねぇか。」


それだけ言うと先とは違う笑い、悪戯っぽく笑って車を発進させた。


「明良!自分、跡部に抱かれたん!?」

『ッ、』

「跡部め、婚約者の立場利用しよってー!次会ったら覚えときや!」

『……ぷっ、』

「なんで笑うん?重要なことやで?」


俺に抱きついてきた明良を二度と放さないようにキツく抱きしめた。


「隠し事してた罰は受けなな?」

『ッ、はい…』

「跡部に抱かれたわけやし、」

『それは…!』

「消毒やな〜」


これからは二人でゆっくり歩いていこう。

邪魔なんか二度とさせへん。





定められた道を
俺らが幸せになる道を二人で歩こう





** END **



あきゅろす。
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