恋来る
「失恋の痛手は癒えたんか?」
『んー…気持ちは切り替えられるようになったよ?』
「そりゃなにより、」
失恋してから隣に仁王がいてくれるようになった。
少なからず私の痛手は癒えてきているはず。
そう思うと仁王に感謝しなくてはいけない。
でも、いつも仁王が隣にいるのが当たり前だと思ってる自分もいる。
「あんな男忘れんしゃい。」
『世の中、格好いい人はたくさんいるしね?』
「そうそう、例えば俺みたいなん。」
『ふつー自分で言う?』
いつも笑わせてくれる仁王の気持ちが嬉しい。
仁王が私の名前を呼ぶのを待ってる自分がいる。
気づいたら仁王のことばかり考えてる自分がいる。
もしかして、私は仁王が―…
「――だから、明良。俺と付き『仁王!』
「なん?」
『私、仁王が……仁王が好き!』
「…ぷっ、」
笑われた。
少し寂しい気持ちになったけど仁王が笑ってるのには理由があったとすぐに理解した。
「今ん俺の告白、聞いとらんかったん?」
『え?…告白?』
惹かれている、と思ったときにはもうそれは恋なんだね。
恋来たる
仁王の告白聞きそびれちゃったからもう一回聞きたいな
** END **
2007.10.21
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