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背伸びする俺


『ね、岳人はさ?』

「なに?」

『なんでいつも飛び跳ねてんの?』

「それは――」


明良と背があまり変わらないから、なんて理由…恥ずかしくて口が裂けても言えない。

俺、向日岳人は身長158センチ。

片思いの相手、明良と身長差があまりない。

そんな自分が情けないと思うし、格好悪くて隣を歩けない、というのが理由。

いや、ただ単に跳ぶのも好きなんだけど。


「牛乳は毎日欠かさず飲んでるもんね!」

『牛乳?あ、背が低いの気にしてるの?』

「う、うっせぇな!」


どうせチビですよー!

そう舌をちょこっとだけ出して明良に見せる。

気にしてることを言われると胸が痛い。

しかも、相手が明良なだけあって余計。


『気にしなければいいのに、背なんかイヤでも伸びるもん。』


確かに俺の身長は延びてはいる。

しかし、胸を張っておまえが好きだ!と男らしく言えるまでまだまだ時間がかかりそうだ。

やはり、ある程度身長差はほしいものだ。

俺の理想が高いのか?


『私、小さくても岳人が好きだけど?』


一瞬、その言葉にドキッとするも、言葉の意味を理解して肩が下がった。

“可愛い”

その意を含んでいたのだ。


『可愛いもん、』

「それならジローと同じだろうが!」

『まぁ、ね?でも、岳人は少し特別なの。』

「…は?」

『ほらほら、早く行こう?みんな待ってるし!』

「あ、待てよー!」


好きとか、愛してるとか。

まだ背が低い、子供臭い俺には早いのかな?


「なぁ、明良?おまえの中の俺の理想図は?」

『意味わかんないし、』

「だから、俺はこれからどんな風になればいいと思う?」


そう聞いたのち、明良は頬を少しだけ赤くし、笑った。


『変わらないこと!』


今のままでも十分、岳人は岳人だもん!

そう言われてめちゃくちゃ嬉しかった。

うん、そんな風に言われるのも悪くないけど、俺は跳ねる少年、高みを目指す少年だから…





背伸びをする俺
告白はもう少しだけ待って、





** END **

2007.11.15



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