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気付いてよ


たいてい、生理が近付いてることを女の子はなにかしらの形で気付く。

身体がサインを出しているから。

例えば、眠くなったり、ダルくなったり、吐き気がしたり、頭やお腹が痛くなったりする。

私の場合は上に列挙されたもので気付くんじゃないんだけど……。


「なんでんな隅っこにいんだよ。」

『いや…なんとなく。』


彼氏――跡部景吾にバカにされたくなくて生理が近くなるといつも距離を保つようにしてる。

それを景吾は面白くないと言わんばかりに不満そうに顔を歪めた。

いつもは景吾の家に来るのも避けるんだけど今日はどうしても、って言うから押しに負けて来てしまっただけの話。


「こっちこいよ。」

『ここがいいの。』

「……じゃあ、俺が行く。」


部屋の隅にいた私の元へ来るため景吾が歩きだしたのを見て、逃げようと早足で場所を移動した。


「なんか…やましいことでもあんのか?」


しまった。

かえって逆効果だったみたい。

景吾に近付けない理由を違う方面で疑われてしまった。


『違うの!』

「なにが違うんだよ。」

『っ、』


否定した言葉に問うのは当たり前。

うまい言い訳が思い付かず、私は言葉を詰まらせた。

それを見ていた景吾なら、私が浮気でもしたのかと勘違いしてもおかしくない。


「…明良、」

『!』

「俺にキスしてみろ。」

『え!?』

「今すぐだ。」


この疑いを晴らしてあげない限り、景吾は疑いつづけるだろう。

ていうか、インサイトで見抜いてよ!


『ちょっと屈んでくれないと届かない、』


私は景吾に近付いて見上げたその綺麗な瞳に吸い込まれそうになった。

この瞳なら私の隠してる事実を悟ってくれてもいいのに。


『目、つぶって?』


指示通り、体勢を整えてくれた景吾の頬に手を添えて唇を重ねた。


「もっとだ、」


彼の要求に答え、私は再度唇を重ねた。今度はゆっくり味わうように。


『んっ…』


唇を重ねては角度をかえてまた唇を重ねた。その最中、彼は私のネクタイを解いたことで気付いた。

そのキスが彼氏のスイッチを入れることになったんだ、と。


「明良、我慢出来ねぇ…」

『ちょ!』


ブレザーを脱がされ、ブラウスのボタンを片手で上4つくらいを外すと首筋に顔を埋めた。


『景吾!』

「んだよ。」

『なんでそうなるの!』

「今更なに言いやがる。別にいいだろ。」


景吾は私のブラウスのボタンに再度手をかけたのを私は許さなかった。

背を向けるのに身体を振った。


『やだ!』

「明良に触りてぇんだ。」

『ダメ!』


拒否する私に気付いたのか、景吾は私をベッドに投げ込んだ。

逃げる前に跨がられ、私は身動きが出来なくなった。


「胸…張ってんじゃねぇか?」

『だったらなに!』

「俺が吸ってやる、」


フロントフックのブラをしてくるなんて私も考えが甘いかも。

あっと言う間に彼は私の胸に触れた。


「すげぇ熱い、」

『………』

「牛みてぇ、…ミルク出んじゃねーの?」

『あのねぇ…怒るわよ。』


景吾を叩く前に彼は私の胸にしゃぶりついた。

そう、私の生理の兆候は胸が張ることなのだ。


彼は十分なまでに私の胸を吸うとスカートの中に手を滑り込ませた。


「下やべぇんじゃねーの?」

『ない。』

「どーせ口だけだろ、」


このままでは犯される!

でも、我慢出来ないかもしれない自分がいるのも事実だからなにも言えない。


「俺は明良とやる気満々なんだが?」

『えっち、』

「どっちがだよ、」


結局、私はこのあと景吾とベッドを軋ませることになった。

そのおかげで生理が早くに来た。


『もぉー!生理来ちゃったじゃない!』

「俺を求めたのはどこの誰だよ。ヒクつかせてやがったくせに。」

『(ムカつく。)』


生理が来るきっかけを自分自身に与えてしまったみたい。

はっきり生理近いから、って話せばよかった…





気付いてよ
これは恥ずかしいことではない





** END **
2008.12.08



あきゅろす。
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