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雪道は嫌いだ


好きな女がいつも見ている、視線のその先にいるのはなぜ俺じゃないんだろう?

俺に足りない点が、奴に劣る点が何かあるのか?


「なぁ、明良?アイツのどこがいいんだよ。」

『全部かな?まっすぐなところも、勉強できないからって言って努力してるところも、容姿が良いからって気取らないところも、優しいところも、』


言い切った明良の顔は少し照れくさそうだった。

そんなにまで好かれてる奴が羨ましいと思った。


「(なんで俺じゃない?)」


例え、明良が見てるアイツが違う女を見ていることに気付いて失恋しても、片思いを続けるんだろうな。


一人帰り道を歩く俺はふと立ち止まり、そして、振り向き見た。

今まで歩いてきた白い雪道には一筋の足跡。


「(この足跡の筋が二つになることはあるのか。)」


答えからするとないだろう。

俺はこの時期の帰路が嫌いだ。

一筋の足跡を見ていると孤独と失恋を味わうから。

だから……





雪道は嫌いだ
早く春になりやがれ、バーカ






** END **
#2008.1.10〜



あきゅろす。
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