act.105『繋がった体』※
(跡部視点)
たまらなくなる。
涙を浮かべる瞳で俺を見上げるその目も、吐息混じりね声も、熱くなる躯も、すべてが愛しく思えた。
「…け、…ちゃ…!」
時たま名前を呼ぶ、その声に欲を募らせ、熱を高めた。
自分の限界を感じ、こももの脚を開かせた。
「や…だ、やっぱ…怖い。」
そう言って俺に抱きついた彼女をしっかり支え、自身を秘部にあてがう。
そして、静かに耳元で囁いた。
「優しくする、」
「……信じて、いい?信じていいよね?」
涙が目尻を通り、こぼれ落ちた。
俺はそれを拭いながら言った。
「信じろよ。」
それを聞いたのか、力が抜けていくこもも。
その隙を見逃しやしなかった。
「ッ!」
「きつ、」
久しくやっていないからか、彼女のナカがキツく思えた。
よく長い間我慢したと思う。
この手でようやくこももを抱くことが出来た。
それだけで幸せだった。
「……こもも、俺――」
“好き”
まだそう言うにはお互いの気持ちが許されなければいけない。
だからその言葉を飲み込んだ。
今はこれでいい、そう思ったのが間違いだった。
「あ、ッふ、…ん!」
「仁王がこももを一度抱いたらやめられないって言うのがわかるぜ?」
「し、ら…ない!ふつうのひ、とと変わらな、いよ。」
そうこももは言ったが、違う。
こももが人を思う優しい気持ちが伝わってくる。
抱かれている間も俺の髪を優しく撫でたり、汗を拭ったりという仕草に心奪われる。
ふつうの女と変わらなくなんかない。
「こもも、ありがとうな。」
それだけ言うと動きを早めた。
達しても足りなくて何度もこももを求めた。
「休むんじゃねぇよ!」
「…ふあッ!」
リョウの代わりだなんて思っていない。
俺はこももとしてみてる。
“やっぱり怖い”
“信じていいよね?”
だが、こももは俺をどう思ってんのかわからない。
まだ俺を信じきれていないようだ。
「(どうすれば信じてもらえる?)」
疲れきって眠りについたこももの髪を撫でては考えた。
しかし、こればかりは時間の問題だ。
俺が焦っても仕方ないことかもしれない。
だが、焦らずにはいられない。
こももは自分のことを必要以上に語らない。
だから、宍戸のことに関して吹っ切れているのか、本心はわからない。
「(二度と手放したくはない。)」
こももへの気持ちを堅くした俺は眠る彼女を抱きしめて眠りについた。
いつになれば俺は気持ちを口に出して言えるのか。
いつになれば俺の気持ちを受け止めてくれるのか。
そればかりは時の流れ次第だった。
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