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 弱りきった身体


親父に自宅まで連れ戻されることになった。

抵抗する俺を抱き上げ、SPのヤツらが玄関のホールまでくると床に下ろした。

半ばSPの手を振り払い、俺は立ち上がって親父を睨んだ。


「明良を叩きやがっただろ!」

「親にそんな口をきくとは…これもあの女のせいなのか、」

「明良は関係ねぇ!」

「良いか、もうあの女とは会うな!」

「俺には明良が必要なんだ!!」

「おまえに必要な者は私が選ぶ!」

「……クソ親父、」

「良いか景吾!」


俺よりも大きい手で振りかざし際にバシンッと頬を叩かれ、俺は床に倒れた。


「あなた、やめてください!」

「見合いが2日後にある、」

「み、見合い!?」

「5日後にはアメリカへ行け。留学だ。」

「俺はなんも聞いてねぇ!!」

「当たり前だ。今まで好き勝手やって私の話を聞かなかった罰だ。」


そう台詞を言い捨てると親父は去っていった。


「景吾、冷やしましょう、」


母さんに促され、俺は動こうとしたがこれ以上は体力の限界で動けなかった。

数人の執事が俺を担架に乗せて自室に運んでくれた。


「景吾、こんなことになって悪かったわ。」

「……明良が、」

「明良さんには私から連絡するわ。」

「俺は明良のところに帰る!」

「この体では無理よ、」


悔しいことに俺の体は限界点を越えていた。

涙が溢れ、視界が歪むと目を閉じた。

そして、そのまま眠りについた。





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