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◆この恋伝えたもん勝ち
『いつか、いつか俺が立派な大人になったら…そしたら―――』


――幼い彼が最後に言おうとしたのは、一体何だったのだろうか。



『今度遊びに来てください。イーピンも喜びます』


沢田綱吉と小さくかかれた真っ白な封筒を手に取り、最後にそう綴られた便箋を指でなぞりながら、風はゆっくりと瞼を閉じた。

随分と久方振りに届いた彼の手紙に、自然に頬が緩む。
彼は知っているのだろうか、電話ではなく、こんな手紙の一通でさえ、こんなにも貴方を愛しいと思ってしまうのを。

きっと貴方は知らない、私が好意を持っているなど。

ひらり、窓から舞い込む花びらが頬を撫でた。
風は目を細めて、その薄紅色の花びらを手に取る。

「梅、ですか…」

数秒見つめた後、何かを決心した面持ちで風は筆を取った。

「恋など、する性質じゃなかったのですがね…」

そろそろ行動に移すとしますか。
そう苦笑すると、ひらりと花びらが風に舞った。





――それからそう日が経たないとある晴れた日、ボンゴレ本邸の頭目専用の執務室。ドンボンゴレこと沢田綱吉は「風」と達筆で書かれた手紙を手に震えていた。
久方振りに出した手紙の返事の内容に、内心嬉しさ余って飛び跳ねそうなのを抑えて幾度となくその手紙を読み返す。

『近々そちらに用があるので、その際寄らせて頂きます』

来る、彼が来る。本当に来てくれる。

遊びに来てください、それを言うのに何年かかったのだろう。幼かった自分も今はすっかり大人で、ボンゴレボスなんてやっている。
だから、見せたかったのだ。大人になった自分を。

「どうしよう、嬉しい…っ」

誰もいないのを良いことに、緩む顔を気にせずその手紙を抱き締めた。

彼は知っているのだろうか、幼い頃から好きでいることを。
きっと知らないだろう、言いかけて、一度は隠してしまった恋心。

「だから、今度こそ、今度こそ言うんだ、」

――「好きだ」って…。







それから3日。

コツリと足音が響く廊下、長い三つ編みを揺らす男は、案内された彼のいる執務室のドアに手を触れた。
 
そこには、幾分と成長した彼が、柔らかな笑みで待っていたと告げた。



 さあ、あの時の続きを再開しましょうか。





この恋伝えたもん勝ち



――ああ、もう貴方が愛しい。









風綱で未来設定。何年後かは想像にお任せします(^o^)
初、風綱なのですが、師匠のキャラが余り掴めませんでした\(^o^)/
でも愛しております風師匠!
不完全燃焼とはこの事か…っ!


[次のお話#]

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