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メモリーズオフ小説部屋
最終楽章・最後の再会



(???)
『…きらっ…晶君♪…起きてよぅ〜…………』

誰だよ!・・・もしかして・・・姉さんか?
もし姉さんなら・・・
起きるもんか!

(???)
『………ムッ!そぅ……晶君は、そういう手を、使うんだぁ〜♪ふっふっふぅ〜♪』

ん?・・・何か様子が、変だ。
姉さんなら「晶君」なんて言わない・・・
僕の事を、晶君と言う奴は、二人だけ。
(真奈美)と(美香)しかいない。
だとしたら・・・真奈美か、美香。
美香は、面倒臭がりだから無いか。
僕は、閉じてる目を、細く開ける。
そこには・・・何かをしようとしている、真奈美の姿が、あった。
・・・・・・
ん?何かをしようとしている?
状況を、見守っていると、真奈美の顔が、近づいてくる!!
そして・・・一言言って・・・

(真奈美)
『……リセットしなきゃね♪美香ちゃんに、晶君取られたくないもん…………』

キスを、した。
セオリーなら・・・ここで、逆白雪姫みたいに、目覚めなきゃいけないのだが・・・あえて悪戯心で、起きないことにした。(笑)

(真奈美)
『……………起きないなぁ……疲れてるのかな?……あっ!そうだぁ♪うふふ♪♪良いこと考えちゃったぁ〜♪』

すると・・・!!
真奈美は、来ている服を、脱ぎだした!!
へぇ〜真奈美って、綺麗な肌してるなぁ〜・・・やっばい!鼻血でそぅ・・・
って!そうじゃなくて!
止めなくては!!
でも・・・待てよ・・・ここで、起きたら・・・

(晶の中の空想の真奈美)
『きゃあぁぁぁ!』

って、なってぇ〜・・・隣の姉さんに、聞こえ・・・てか!真奈美の声量なら町中に、聞こえる・・・
ちなみに、真奈美は、すごく歌がうまく声も透きとおうっていて、顔もスタイルも、良い。

昨年の、文化祭で・・・
(第二回沢高美少女萌〜アイドル・・・)タイトル長いから後は、切るか・・・って言う萌アイドル研究会のおバカなイベントが、あった。
そのイベントに、真奈美が出たのだった。

なんでも・・・萌ぇ〜で、採点すると言う・・・完璧オタク系なイベント・・・しかし・・・文化祭の出し物では、一番の集客人員だった・・・(これには、正直僕も驚いた)


(学校のみんなは、影の萌ぇ研と言っている。噂によると学校の可愛い子を、無断で、カメラで盗撮して、写真やらを、焼き増しし・・・売るという。いろんな法律に引っ掛かりそうな事を、してるんだそうだ。
ちなみに、沢高かわい子ちゃんランキングとかあるらしく・・・真奈美が、ダントツの1位だったりする)
ちなみに、何故真奈美は、そんな変な、イベントに出たのかというと・・・
萌ぇ研に、(真奈美たん!ぜひ君に…てか!可愛い衣裳を着て舞台の上で、歌わないか?)と言われ参加したんだそうだ・・・
真奈美は、ただみんなに、自分の歌声を、聞かせたかったらしく・・・簡単に参加したらしい・・・
そして・・・真奈美の着ていた衣裳は・・・
メイド服・・・所謂ワーキングドレスだった。
歌った曲は、(ロックバンド系)と(ソロの歌)だった・・・

って!それどころじゃない!!
この状況を、どうするべきか・・・

@起きる
A現状維持
B逃げる

何故か三択にしてしまった。
起きたら・・・って!さっき考えた事と同じじゃないか!
逃げる・・・あんまり起きると変わらない?
消去法で、いくと・・・現状維持?・・・

少しばかりHな期待を、してしまったりする・・・
って!僕情けな・・・
そう考えていると・・・

(ゴソゴソ……)
ん?なんか布団の中が、暖かくなった。
それに、なんか違和感が・・・

(晶)
『もしかして・・・』

僕は、細く目蓋を開いて違和感のある方を、向いた。そこに居たのは・・・紛れもなく裸の真奈美だった。

僕は、少しHな気分になったが、真奈美の顔を見て一気にその気分は無くなった・・・


(真奈美)
『うぅ…………はぅ……』

真奈美は、泣いていた・・・多分寝ている僕に、泣き声が聞こえないように、必死に声を出すのを我慢しているのだろう。
でも・・・なんで真奈美は泣いているんだ?

僕のせいなのか?
僕が、真奈美を傷つけているのか?
僕が、美香と抱き合っていたからなのか?
僕は、信用されてないのか?
僕は、真奈美を泣かせた・・・
僕が、真奈美を追い込んだ・・・
僕が、真奈美を不安にさせた・・・
僕は・・・僕は・・・
・・・最低・・・だな。

何もかも僕が悪いんだ・・・ははは・・・そうだよ・・・僕が悪いんだ・・・

そして・・・僕は信じられない考えを心の中で・・・言ってしまった・・・

(晶)
(死にたい・・・)

こんな優しい真奈美を傷つけて僕は・・・最低だな・・・こんな僕より真奈美には、相応しい良い奴がきっといる。
僕は・・・真奈美を辛くさせるだけだ・・・

・・・真奈美と・・・別れよう・・・そして・・・この世から消えよう・・・

きっとそっちの方が自分には、楽だ・・・家族には悪いが・・・
ははは・・・楽しかった人生だな・・・

ふと、いままでの真奈美との思い出を思いだしてしまった。

真奈美と出会ったのは、小学生の頃か・・・
確か・・・クラス替えの
5年生の時だ。


席決めで、真奈美が隣に座ったんだよなぁ……
最初の頃の真奈美は、内気で友達も居なく、半年隣に居たが、全然喋らなかった。
だが、隣の真奈美がノートと教科書を見ながら何かの紙を見て、悩んでいたところに、僕が話したところから友達関係が始まった。

【小学生時代】

(真奈美)
『う〜ん…?』
(晶)
『どうしたの?』
(真奈美)
『へっ?私?』
(晶)
『うん♪そうだよ』
(真奈美)
『…………』
(晶)
『…………ん?』
(真奈美)
『なっ……何か用ですか?』
(晶)
『えっと…何か悩んでいるような顔をしていたから訊いたんだけど……』
(真奈美)
『えっ!?……あぁ……えっと…この…()に入れる文章が、解らなくてこまってるんだ…よかったら……で、良いんだけど…教えてくれないかな?』

すると真奈美は、理科のドリル問題を、見せてきた。

(真奈美)
『ここが解らないんだ…』
(晶)
『ん〜と…どれどれ?』


真奈美は、理科の実験に使う道具の名称の問題欄で悩んでいた。
僕は、普通に教えるのは、つまらないので、ヒントをだしながら教えてあげた。

(晶)
『じゃあ…まずここだね!』
(真奈美)
『うん♪』
(晶)
『これは、女の人が関係ある道具かな?』
(真奈美)
『女の人?』

僕が、言ってるのは『メスシリンダー』である。
メスシリンダーは、理科の実験では、主に量を計ったりする道具だ。


(晶)
『そうだよ♪例えば…男は、オス♂だろ?だったら女の人は?』
(真奈美)
『……メス?』
(晶)
『そうだよ♪だから?』

真奈美は、難しい顔をして・・・

(真奈美)
『解んないよぅ……て言うか………名前なんだっけ?』
(晶)
『晶だよ……ってか!前から隣じゃん!』
(真奈美)
『あれ?そうだっけ?……ごめん………』
(晶)
『いや……いいよ…ところで、真奈美ちゃんだったよね?』
(真奈美)
『う…うん……』
(晶)
『よろしくね♪』

僕は、満面の笑みで真奈美に、そう言った。
しかし、真奈美は下を向き恥ずかしがりながらこう言った。

(真奈美)
『よ……しく……』
(晶)
『う…うん…』
(真奈美)
『と…ところでさ……晶君は何で、遠回しに問題の答えをそう言うの?後、私の事真奈美でいいよ……』

真奈美は、恥ずかしながらも、そう言った。

(晶)
『えっ!そう……んじゃ真奈美で!………えっと…問題の事だよな…それは……僕のやり方かな』
(真奈美)
『やり方?』

真奈美は、首を傾げて訊いてきた。

(晶)
『うん♪そうだよ♪そうすると、覚えやすくなるんだ』
(真奈美)
『へぇ〜…ところで……問題の答えを教えてくれないかな…?』
(晶)
『えっ!?……もしかして答えを教えてって訊いたの?』
(真奈美)
『うん……そうだけど……ごめんね…。私の言い方が、悪かったみたいだね…』

真奈美は、謝りながらそう言った。


(晶)
『いや…。僕が理解してあげられなかったから…僕が、悪いから…謝らないでくれないか?』
(真奈美)
『えっ?……そう………。あのぅ〜…それで、答えは?』

真奈美は、申し訳なさそうに、訊いてきた。
僕は『メスシリンダー』と、答えた。
その時の真奈美は・・・

(真奈美)
『あっ!そうだ!そうだ♪そんな名前だったね♪』

真奈美は、思い出したようで、解った嬉しさで、笑顔になっていた。
僕は、この時から真奈美を、意識するようになった。

そんな出来事から・・・友達になり、[交換日記]や[一緒に勉強]したりした。
後、僕と真奈美にもいろんな友達が出来た。

そして・・・僕と真奈美が、中学生になって、
美香が、友達になったのは、中学の文化祭の時だった。

【中学時代(文化祭)】


僕は、真奈美となんら変わりない関係だった。
そして、文化祭の日が来て、僕らのクラスは、1年ながら(演劇)をやることになった。
演劇の内容は、所謂(いわゆる)冒険恋愛物。


あらすじは、
主人公『長門南次郎』
(ナガト・ナンジロウ)
と、幼馴染みの
ヒロイン
『押上雪』
(オシアゲ・ユキ)
が、押上家の蔵から見つけた謎の地図を、
主人公の南次郎と雪が、一緒にその地図に書かれた
バツ印を目指しいろんなハプニングが、起きていくストーリー。
探索途中で大雨が降って、帰れなくなった二人は、ある廃止になった鉄道の古びたトンネルで、雨宿りすることになる。
しかし・・・雨は、しだいに強くなり・・・なんと南次郎達が入ったトンネルの入り口が、土砂崩れで出口が、塞がれてしまう。
やがて3日がたちヒロインの(雪)が、死にそうになる。
その時南次郎が、ある決心をする。雪を担いで10キロあるトンネルから出ようと決意する。
しかし・・・雪が途中で死んでしまいそうになる。
そして雪が、最後に南次郎に『好きだった』と伝え
『最後に……キスして…』と雪が言う。
そして、キスをした後…いきなり目の前が、真っ白になり。
気付けば雪の家の蔵で、二人で寝ていた。
と言うストーリーだった。
そして、出演者は…
主人公が、何故か反対してた僕で…
ヒロインが、(真奈美)だった。
選ばれた理由は、仲がいいからだそうだ。
そして……監督は…
1学年委員長の(羽田美香)だった。


その頃の美香は、自由奔放で楽しいことじゃないとダメな性格で、演劇も『おもしろおかしくする!』と言っていた。

そのおもしろおかしくすると言うのは……
なんと劇中に、まじキス、マジ告白するという、うたい文句で、宣伝ポスターを作ったと言う事だ。
その事は、僕も真奈美も大反対した。
しかし……ありえない展開に、向ってしまった。

美香以外のクラスメイトも、なんと!賛成……
担任の中島先生は、ノーコメントだった。
もしかして…中島先生も、賛成だったのだろうか?

そうこうもめている内に、美香は勝手に、台本、演出を、一気にやり終えていた。
なんて仕事の早さだ……

そんなこんなで、美香の思うがまま………文化祭を迎えた。
僕と真奈美は、美香の言われるがまま予行練習を、終えていた。

そんな予行練習が終った僕に、美香が話し掛けてきた。

(美香)
『お〜い♪二宮くぅ〜ん♪♪』

この頃の美香は、僕の事を二宮君と呼んでいた。

(晶)
『あっ!はい?なんですか?羽田さん?』


美香は、嬉しそうな顔で…

(美香)
『予行練習お疲れさま♪』

っと言った。

(晶)
『あっ!はい!お疲れさまです』

すると美香は、いきなり表情が曇りこう言った。

(美香)
『ごめんね……二宮君……』
(晶)
『どっどうしたんですか?いきなり謝ったりして……』
(美香)
『…キスシーンとか告白シーンとか入れて……………ごめんなさい……』

美香は、泣きながらそう言った。


(晶)
『もう良いってば…まだそのシーンの練習は、してないけどさ……』
(美香)
『でも……そうだ!二宮君…どうせなら今、台本からキスシーンとか告白シーンを、抜きにしても良いんだよ……?』

美香は、慌ててそう言った。

(晶)
『でも……台本構成が、バラバラになるんじゃ…』

すると美香は、笑みを浮かべ…

(美香)
『大丈夫だよ♪二宮君♪ちゃ〜んと、差し替え用の台本用意してあるから♪』
(晶)
『でも…クラスのみんなが……』
(美香)
『大丈夫!みんなには、差し替えるかもしれないって言ってあるから』
(美香)
『んで、二宮君の答えは?』

美香は、複雑な表情で訊いてきた。
何故かこの時美香は、差し替え用の台本を、一つ手前に出し、解りやすいように見せて選ばせた。

(晶)
『う〜ん………………………でも…こう言うのは、ヒロインである真奈美にも訊いてみなきゃな…』

すると美香は、何も言わず差し替え用の台本を、置いてどっかに行ってしまった。

(晶)
『あっ!おい!羽田さん待ってよ……………行っちゃった…』

僕は、真奈美に台本の事を、訊きに行ってみた。


【場所・演劇出演者休憩室】


(晶)
『真奈美ぃ〜居るかぁ〜?』

僕が、真奈美の事を呼ぶと、クラスメイトの
(山川幹也『Mikiya』)
が来た。

(幹也)
『おっす!晶!』
(晶)
『あぁ、幹也。真奈美知らないか?』
(幹也)
『真奈美ちゃん?真奈美ちゃんなら…ってか!真奈美ちゃんが、お前を探してたぞ!』
(晶)
『あぁ…そうなのか…じゃあ行き違いかな?』
(幹也)
『多分そうじゃねぇか?…と言うか、真奈美ちゃん練習終るなり晶の事探してたぞ。結構焦ってたみたいだし』
(晶)
『あぁ……』
(幹也)
『ん?どうした?気分でも悪いのか?』
(晶)
『いや…別に…』
(幹也)
『ん?そうか?なら良いが…ところで、お前、練習終わるなり、何処行ってたんだよ?』
(晶)
『散歩…』
(幹也)
『はっ?散歩ぉ?……まっ良いか…それより真奈美ちゃんを探してあげろよ。なんなら校内放送で、真奈美ちゃんを、呼ぶか?』
(晶)
『あぁ、頼む』
(幹也)
『了解!んじゃこの休憩室で呼んどいてやるよ!じゃっ!』

幹也は、放送室に行った。いつもながら良い奴だ。
多分校内なら一番人当たりが、良い奴だ。


放送してから5分後に、真奈美がやって来た。

(真奈美)
『もぅ…何処に行ってたのよぅ…演劇の打ち合せしようと、思ってたのに』

真奈美は、息を切らせながらやって来た。

(晶)
『ごめんごめん!んでさ…ちょっと話しが、あるんだけどさ…』
(真奈美)
『ねぇ?何処行ってたの?』

真奈美は、話しを遮(さえぎ)ってそう言った。

(晶)
『さっ散歩だよ…んで散歩中に、羽田さんに呼び止められて「台本差し替えても、良いよ」って言われて、真奈美に相談しようと思って、呼んだわけさ』
(真奈美)
『ふぅ〜ん…まっ!いっか…』

真奈美は、ちょっと不満そうに、そう言った。

(真奈美)
『ところで、差し替え用の台本の話しだよね?』
(晶)
『あぁ!そうだよ。まだ差し替えるか、決まってないけど』
(真奈美)
『ふぅ〜ん…それで、差し替える内容は、どんなの?』
(晶)
『ラブシーンが、無くなるだけかな?』
(真奈美)
『えっ!?』

真奈美は、びっくりしたみたいだ。


(真奈美)
『なんで?今日が、本番なんだよ…?いきなり話し変えられても困るよ…台詞も、覚えたのに…』
(晶)
『じゃあ真奈美は、そのままで、良いのか?』

真奈美は、顔を赤くしながら答えた。

(真奈美)
『うっうん!もちろん♪ところで、晶君はどっちが良いの?』

真奈美は、首を傾げながら訊いてきた。

(晶)
『あぁ…俺は、真奈美の決めた方に、しようかと…』
(真奈美)
『って事は、私次第だったって事?』
(晶)
『そうだよ』

そして、真奈美は少し考える素振りを、見せてからこう言った。

(真奈美)
『う〜ん………晶君ひょっして?…晶君って私の事……』
(晶)
『えっ?私の事、何?』

真奈美は、手をモジモジさせていた。この時の真奈美は、凄く可愛かった。そして、真奈美はこう言った。

(真奈美)
『うぅううん!!な、ななな、何でもないよ!あはっ!あはははははぁ〜……………』
(晶)
『ん?何だよ…気になるじゃないか…まっ!いっか!』
(真奈美)
『そそそうだよ!気にしない気にしない♪ささっ晶君!最後の練習に行こう♪』
(晶)
『あっあぁ。そうだな!行こう♪』

そして、練習が終わり、その後、文化祭の演劇が、行なわれる体育館へ行った。


体育館の中は、雨が降ってきたせいか、お客さんが、多かった。
両端には、小さな飲食販売所があったり、観客の中には、僕の家族と、真奈美の父親が来ていた。
真奈美の父親は、僕の家族と楽しげに談笑していた。この時、初めて真奈美の家族が、父親一人と分かった。
真奈美に訊くと、真奈美の家族は、真奈美が小さい頃に、離婚したらしい。
真奈美から聞けたのは、それだけだった。
何か、深い事情があるみたいだ。
僕は、それ以上詮索は、しない事にした。
一様僕は、真奈美の父親に、挨拶する事にした。

(晶)
『どうも!真奈美の友達の、二宮晶と言います!』
(正彰)
『あぁ!君が、晶君かあ!いつも真奈美が、お世話になってます。真奈美に告白するそうだなぁ!真奈美が、OKしたらよろしく頼むよ』

真奈美の父親は、笑顔で明るくそう言った。

(晶)
『こちらこそよろしくお願いします』
(真奈美)
『も、もぅ!いいでしょ!晶君!早くこっち来てよ!』


真奈美は、顔を真っ赤にしながら、僕の制服の袖を引っ張りながらそう言った。
そして…

(典子)
『あら!真奈美ちゃん♪こんにちわ♪』
(真奈美)
『あっ!晶君のお母さん♪どうもお久しぶりです』
(典子)
『真奈美ちゃん♪元気そうね♪』
(真奈美)
『はい♪元気ですよぅ♪晶君のお母さんも、元気そうで♪』

さっきの恥ずかしさは、何処えやら……
真奈美と母さんは、楽しげに話していた。
すると……いきなり体育館の照明が、消えた。
演劇祭が始まったみたいだ。


(典子)
『あら?もう始まるのかしら!』

(真奈美)
『そうみたいですね♪』

(典子)
『じゃあ!晶!真奈美ちゃん頑張ってきてね!』

母さんは、笑顔でそう言った。
相変わらず。母さんの隣に居る、僕の父さんは、無口だった。

でも、気のせいだろうか?父(秀夫)は、僕と真奈美に、がんばれ!と、語ってそうな顔で、こちらを見ていた。

(晶・真奈美)
『頑張って、いってきまぁ〜す♪』

僕と真奈美は、息ぴったりで、そう言って観客席を、後にした。

確か最初は、3年A組の『愛しのメリー』

何故か、今回の演劇は、ほとんどのクラスが、ラブストーリーだった。


場所【体育館舞台裏・第一体育準備室】

僕は、手芸部が用意してくれた、衣裳を着て、出番を待っていた。

ちなみに、手芸部が全てのクラスに、衣裳提供している。
幹也も手芸部の一人。
なんでも作ると言う、これまた凄い奴。
今回幹也は、裏方ばかりだ。
幹也は、サポートもバッチリだった。
本当に、頼りになる奴だ。監督の美香より、幹也の方が、すごい熱の入れ様だった。

今回は、うちのクラスが、とりを努める。
事前に、演劇部が予行練習などを見て、演劇部員が評価し合い、選考してプログラムの順番を決めているらしい。
ちなみに、うちのクラスが評価A.B.C.のうちAだった。
だから最後なのらしい。
自分的には、最初がよかったのだが…………
演劇祭を統括している、演劇部が、そう決めたのだから仕方ない。


ちなみに、真奈美は着替え中で居ない。


(晶)
『ふぁ〜…………』


待つのが、結構暇だったりする。

と、その時。
美香が、やって来た。


(美香)
『どう?二宮君?決まった?』
(晶)
『あっ!羽田さん。台本の事ですか?』
(美香)
『うん。そうだよ。それで、どっちの台本にするの?』


美香は、複雑そうな表情で、訊いてきた。

(晶)
『それなんだけど……真奈美と、話し合ったんだけど…』

(美香)
『うん……』
(晶)
『そのままで、いくよ』
(美香)
『それで良いの?』


美香は、少し残念そうに、そう言った。

(晶)
『あぁ』
(美香)
『……うん!分かったよ!それじゃ、そのままでいこう!』


急に、美香は明るくなった。

(美香)
『それじゃ!みんなに伝えてくるよ!頑張ってね!二宮君』
(晶)
『うん!ありがとう』


その後…………
演劇は、無事に終わり。
台詞も間違えず、全て順調に終った。
演劇が終った後、真奈美と本当に付き合うことになった。
1週間、僕達は一躍学校の、有名人になっていた。
その後、美香とも友達になり楽しい毎日を、送っていた記憶がある。
僕の過去は、良い事ばかりだったみたいだ………


だが………
今、目の前に居るのは………泣いている真奈美。
僕はどうしたら……




それぞれのストーリーへ、つづく……


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