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メモリーズオフ小説部屋
最終章:世界で一番君が好き



【智也】
「ラララ〜」
今日は、朝から俺は、ご機嫌だった。


昨日までは、唯笑とのすれ違いで、ズタズタだった心が、昨日彩花が、来てくれたおかげで、もうすっかり元に戻っていた。


【智也】
「よっし、今日は、絶対仲直りする。」


智也は、そう決意した。

だが、その前向きな姿勢が、裏に出るとは…今の智也には、気付かなかった。


【智也】
「おはよーございます」


俺は、幼稚園の朝の挨拶なみなことをしてると。


【かおる】
「三上くん……今は、そんなボケかましてる雰囲気じゃないよ。」


ふと教室を見回すと…偉く重い雰囲気だった。


【智也】
「どしたんだ、みんな? 特に信いつものカラ元気は、どうした〜」


俺は、いつも通り気軽に話しかけた。
つもりだった……が!

【信】
「オイ! 智也てめー」


急に信に胸ぐらをつかまれた…


【智也】
「おい…信どうしたんだよ?」


クラスのみんなも何事かと俺らを見てる…


【信】
「お前!! また唯笑ちゃんを傷つけやがって!!」


信のこの真剣顔は、前にも見たコトがある。心配してくれてる顔だ。


【智也】
「昨日のコトか…。今日ちゃんと謝ろうって、思ってるよ。」


すると、信が、今まで見たコトない鬼形相になった。


【信】
「今日だと? おい!! ふざけるな!!」

信は、さっきより一段強く胸ぐらをつかむ。

【智也】
「は? なに言ってんだよ。俺、昨日校内中探したんだぞ。それでいなかったんだからしょうがないだろ。」


智也は、信の手を追い払おうとする。


【信】
「お前ホントに何も知らないのか?」


一瞬、信の顔を見るが、怒りと言うより悲しみの顔をしてる…
今にも泣き出しそうな…。


【智也】
「だから〜なんも知らないよ。」


するとあまりにも突然だった…。


ズコ〜!!
かなりデカイ音が、響く。


【智也】
「いって〜な〜。信なにしやがる!!」


【信】
「うるせ〜。お前ホントに最低だな…。」


信は、急いで教室から出て行った…。


俺の回りを何事かとみんなが、囲んで来た。

【かおる】
「あちゃ〜三上くん派手にやられたね…。」


【詩音】
「三上くん……は!血が…。」


さっきの殴られた時だろう口の回りからすごい量の血が、出ていた。


【智也】
「あ! ホントだ…。ヤベ〜な…。」


【詩音】
「急いで保健室行った方がいいかと…。」


【智也】
「あ〜そうするよ…。」


俺は、口の回りの血を音羽さんのハンカチで、拭きながら保健室へ向かった。


保健教師は、大したケガじゃないが。
念のためベットで、寝て行きなさいとのコトだった。


【智也】
「ふぅ〜。ホントわけわからね〜。」

俺が、溜め息混じりで天井を見上げてた。


【保健教師】
「あーそうだ三上くん。」


【智也】
「ん? 何すか?」


【保健教師】
「あたし今日ちょっと用事あって早退するから。安静にしてるんだよ。」


【智也】
「なんかあったんすっか?」


【保健教師】
「ん? 聞きたい? どうしよかな〜」


そこまで、言われると聞いてみたくなるのが、人間の本能だ。


【智也】
「ええー! 教えて下さいよ〜」


なんだ? 男と遊ぶのか? 俺の妄想は、膨らんだ。


【保健教師】
「今日は…彼氏の誕生日だから…お祝いしてあげるんだ♪」


なんだ普通の理由じゃん!
っと思ったが、ある言葉が、引っ掛かった。

【智也】
「誕生日?」


【保健教師】
「どうしたの三上くん?」


その単語を聞いて、すべてを理解した。
信が、あそこまで、怒った理由。
なぜ昨日じゃないといけなかったのか。


俺は、じっとしていられなかった。


今すぐに唯笑や信に謝りたかった。


【智也】
「先生わりー、俺用事思い出した!!」

【保健教師】
「安静にしてなさいって、さっき言ったばっかでしょ……でもまぁ、いいわ」

さすが保健教師、多分わかってたんだな…。
俺が、落ち込んでる理由を。


【智也】
「よしっ!! 行ってきま〜す」


俺は、もうダッシュで走った!!
授業中だろーが、なんだろーが、関係ない。


【智也】
「くそっ!! 俺ってヤツは…。」


オレが、わき目も触れず全力疾走で、走ってると、後ろから、ある人物に肩をつかまれた!!


【ヒバゴン】
「三上!! お前今自分で何してるか、わかってるよな?」

最悪のヤツに見つかっちまった…。
ヒバゴン…熱血体育教師で、説教の時間が、澄空1長いコトで、有名だ…。
だが、今は、説教なんて、されてる場合じゃない。


【智也】
「先生!! 離してくれ、オレには、やらなくちゃいけないコトが、あるんだよ!!」


【ヒバゴン】
「フン、授業中に、廊下を全力疾走で、走ってるヤツの意見など、聞くか!!」

くそ〜なんだ、この教師は、生徒の意見も聞かないのかよ…。
くそ、まだ桂司の方が、マシだよ…


すると、そこにタイミングを見計らったように。


【桂司】
「城ヶ崎先生、どうしたんですか?」

おっ、ラッキー助けか?
ん?桂司かよー!!
事態が、悪化するだけだよ…


【ヒバゴン】
「イヤ実はですな、この問題児三上智也が、授業中にもかかわらず廊下を全力疾走で走ってるもんですから注意してたんですよ。」


終わった…もう今日は、ヒバゴン&カツラに一日中説教タイムだな…。
もう……唯笑や信とは、仲直り出来ないかもな…。


すると…あまりにも意外な言葉が、桂司の口から出てきた。


【桂司】
「城ヶ崎先生…悪いですが、三上は、保健室で休んでただけですから。」


桂司が、俺をかばった?
あまりにも意外だった。


【ヒバゴン】
「桂司先生でも、廊下を全力疾走で、走るのとは、関係ないでしょ。」


ちっ!!揚げ足ばっかだ…。


【桂司】
「しかたありませんね…」
ズコォ〜


ん?かなりでかい音が聞こえなかったか?
ふと教師二人を見ると。


【ヒバゴン】
「ぐゎ〜」

桂司が、ヒバゴンを殴った??


【桂司】
「三上!!」


【智也】
「え? はい!!」

【桂司】
「早く行け! 急ぎの用なんだろ。」


オレは、初めてこの先生は、いい人なんだなと思った。


【智也】
「先生…ありがとうございます!!」


サンキュー、カツラいつかこの借りは、返すからな。


【智也】
「ふぅ、ふぅ」

先生達の視線をかいくぐりやっと教室前まで、たどり着いた。


ふと後ろのドアから、教室内を見回すと。


いた!! 唯笑だ。
でも相変わらずの浮かない顔だった。


俺は、居ても立ってもいられなくなり。
教室のドアを勢いよく開け叫んだ。


【智也】
「唯笑〜!!」


ふと教室中が、何事かと振り向く。


【かおる】
「三上くん?」

【信】
「智也?」


【智也】
「信…すまねえ…。オレ…」


すると信の顔は、いつもの顔に戻っていた。

【信】
「このばかやろ〜早く唯笑ちゃんに謝れよ」


信は、ニヤけながら言った。
それが、オレに勇気を与えてくれた。


だが…!!
こんな飛び入りを教師が、許すはずはない…。


【歴史教師】
「オイ!!三上! 俺の授業で、何してくれてんだよ。」


しまった!!
最悪な時間に来てしまった。
歴史教師:住谷武男、自分勝手な考えで、生徒からヒバゴン以上に嫌われてる先生だ…。

【智也】
「先生…俺は、唯笑に謝りたいんです!!」


【唯笑】
「トモちゃん…」


唯笑が、小声で呟く。

【住谷】
「うるせ〜よ、俺の授業受けないならさっさと出てけ!!」


住谷のこの発言は、クラス中の反感をくらった。


【詩音】
「先生…今の発言は、ヒドいと思います!!」

【信】
「そだそだ、智也と唯笑ちゃんに仲直りさせてやるんだよ。」

【かおる】
「先生が、どっか行っちゃいなさいよ」


すまねぇ…みんな…俺なんかの為に。


すると…また教師が来た。


【ヒバゴン】
「ふふふ、み・か・み・」
キモチわりいんだよ。

【住谷】
「ナイスですぞ、城ヶ崎先生♪」


すると、教師二人がかりにつかまれた…。


【ヒバゴン】
「え〜生徒諸君、ただいまを持って、三上智也を連行する。」


【智也】
「やめろ〜唯笑〜」


俺は、大声で叫んだ!!すると。


【唯笑】
「やだ!! トモちゃんを連れてかないで…。」


唯笑…俺のコト嫌いになったわけじゃなかったんだな…。


すると背後から。


【信】
「おりゃ〜一人つかまえた。」


【住谷】
「ぐぁー!! 稲穂何するんだ、このヤロー。」


【信】
「うるせ〜、俺の親友の恋路を邪魔する奴は、俺が許さない!!」

【智也】
「信…泣かせるぜこのヤロー」


俺は、信に気をとられていたヒバゴンに本気の蹴りをくらわせた。

【ヒバゴン】
「み・か・み・」
何? 効いてない。


【ヒバゴン】
「じゃ〜ん。」
効果音が、古くせ〜。

【智也】
「何!! 防弾チョッキ。」


コイツバカか、こんな対策しやがって…。

信達やクラスの男子達が、立ち向かってもあの防弾チョッキにはかなわなかった。


【智也】
「もうダメ…なのか…。」


すると、大きな掛け声が、聞こえて来た。


【桂司】
「三上〜。」


桂司が、教員全員を連れて来たのだ。


うぉ〜。がぁ〜。


教室中で、大戦争が、繰り広げられた。


【信】
「智也!! 唯笑ちゃん連れてお前らだけで逃げろ〜。」


【智也】
「でも…。」


【かおる】
「ここは、私達が、何とかするから。」


かおる達も必死で、ヒバゴン&住谷を押さえていた。


【智也】
「みんなホントにすまねぇ…。唯笑?」

【唯笑】
「トモちゃん…早く行こう。」


【智也】
「おう。」


教室中の歓声の声をしりのけて、俺らは、屋上へ迎った。


【唯笑】
「教室すごいコトになってるね…。」

【智也】
「ああ…ホントに迷惑かけたよ。」


【唯笑】
「新しい伝説に追加しなきゃだね。」

俺は、話して、驚いた!!
唯笑が、普通に話してくれてる。


【智也】
「唯笑? 怒ってないのか?」


【唯笑】
「う〜ん、昨日までは、怒ってたよ。でもね!!」


【智也】
「でも?」


【唯笑】
「昨日の夜にね…信じてくれないかもしれないけど…。彩ちゃん来たんだよ。」


【智也】
「彩花が?」


【唯笑】
「あ〜絶対信じてない!! ぶぅ〜。」


【智也】
「ハハハ、信じてるよ。」


俺は、もう今後一切、唯笑を悲しませないようにしよう。
そう心に決めた。


【智也】
「唯笑…?」


【唯笑】
「ん? 何トモちゃん?」


【智也】
「誕生日おめでとう…一日遅れだけど。」


【唯笑】
「ヘヘ♪ ありがと。」


すると、屋上のドアが開いた。


【信】
「そうだ、そうだ。この遅れマン。」

【かおる】
「ったく、三上くんってバカだよね〜。」

【詩音】
「ホントあり得ないほど。」


【智也】
「みんな? ヒバゴン達は?」


【信】
「みんなで、押さえつけて縛っといたよ。」


【智也】
「ハハ…先生達には、悪いコトしたな。」


【信】
「気にしなくていいんじゃないか?」

【かおる】
「そうそう悪いのはあの人達だし。」


【唯笑】
「そんなコトより…唯笑の誕生日会」

【信】
「そうだった!!よ〜し盛大に智也ん家でやるぞ」


【智也】
「俺ん家かよ!!」

【唯笑】
「ぶぅー!! だって〜もとわと言えばトモちゃんが、唯笑の誕生日忘れるから…。」

【智也】
「ハハハ…ど〜れ、わが家に急ごうかみんな。」


【唯笑】
「はぐらかした!!」


【信】
「まぁまぁ唯笑ちゃん。」

【詩音】
「それより授業は?」


【智也】
「まあ…あんな状況だし別にいいんじゃないか。」


【信】
「だな! よ〜し、みんなでレッツGO」


【一同】
「GO」


その夜みんなで、大騒ぎで、1日遅れの誕生日を楽しく過ごした。確か…パーティー中に唯笑がこんなコト言っていた。

【唯笑】
「トモちゃん。」


【智也】
「ん?どうした?」


【唯笑】
「唯笑こんな楽しい誕生日初めてだよ。」


【智也】
「だな♪ これも彩花のおかげか。」


【唯笑】
「うん♪ 彩ちゃん〜。」


【智也】
「バーカ聞こえるかよ。」


【彩花】
「コラ! ! 唯笑ちゃんをイジメないの」

【智也】
「うぁー!! 出た〜」

【彩花】
「何? そのリアクションお約束なの?」

【信】
「おっしゃ〜彩花ちゃんも来たしみんなで、騒ごうぜ」

【彩花】
「うん♪ 騒ごう♪」


【智也】
「お前ら…なんで、そんなに平然としてられんの?」


【彩花】
「前々から約束してたじゃない。誕生日は、みんなで騒ごうって。」


【智也】
「とは言っても…。」


【彩花】
「いいから、いいから、おーし、みんなで、騒ごう♪」


【一同】
「よっしゃ〜」







【唯笑】
「トモちゃん!!トモちゃんったら!!」

【智也】
「ん? 唯笑、なんだ?もう朝?」


【信】
「バーカ」


突如、信に顔を蹴られた。


【智也】
「ぐはー!!何しやがる。」


【信】
「パーティー中に寝るんじゃね」


【智也】
「そっか…彩花のは、夢だったか」

すると、俺の足に毛布が、ひいてあった。


【智也】
「ん?これ唯笑が、やったのか?」


【唯笑】
「ううん、彩ちゃんだよ」


【智也】
「彩花?」


【信】
「彩花ちゃん言ってたぞ。智也は、いっつもおバカなコト言うけど仲良くしてやってねって」


微妙なモノマネ…


【智也】
「そっか…やっぱりホントだったのか。」


【唯笑】
「唯笑言っといたからね。」


【智也】
「何を?」


【唯笑】
「トモちゃんと幸せになりますって。」


【智也】
「バカ!!」


恥ずかしいにもほどがある。


これが、俺と唯笑の間に起きた。
初めての衝突だった。でも彩花のおかけで、すっかりもとどおりになった。


【唯笑】
「あーやーちゃーん。唯笑はートモちゃんとー幸せにーなりーまーす。」


唯笑は、かなり大声で、叫んだ。
俺も同じ気持ちだった。


彩花!!
俺と唯笑をずっと見守ってくれよな。


-fin-


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