僕らのお姫様
01
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ヴァリアーの連中へ
お前達の仲間は預かった。
無事に返して欲しければ、陽が沈むまでにありったけの金を持って、街外れの倉庫まで来い。
P.S.必ず1人で来るように。警察に連絡なんかしたら人質の命は無いと思え。
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「う゛ぉ゛ぉ゛おい! ふざけたモノ送り付けたのはお前らかぁ!!」
港の倉庫、扉を蹴破る。
勿論刀は此処に来る途中に、バッチリ磨いた。
切れ味は抜群だぁ。
「ぎゃあー、出ましたボスっ!!」
「来ましたボスっ!!」
混乱している中――ってか、何で呼び出したお前らがビビってんだよ、に見知った顔が一つ。
奥の方で、倉庫の薄暗い電灯の光でチラチラ光る金髪が見えた。
盛大に暴れたのか擦り傷だらけで、厳重に縄で縛られているが、無事のようだ。
「スク先輩っ! 遅いじゃないー!! 退屈だったよ、このオッサン話相手にもならないしっ!!」
「……。」
……そこは、怖かったとか何とか言えよ。
チッ、少しくらい泣いてりゃ可愛いものを。
ルビの、横の中年くらいの男は黙ってろ、とか言っているが……ヴァリアーである意味、一番厄介なのをさらったのが悪いんだぁ。
自業自得ってやつ。
「っ、ありったけの金は持って来たんだろうなぁ?」
「ハッ、そんなもんねぇぞぉ!」
「何っ!? ……馬鹿にしやがって」
中年男――どうやらボスらしい、が銃を構える。周りのヤツも戦闘態勢になる。
刹那、いきなり爆発の様な音が響き渡り、倉庫の壁――ルビが置かれている横の、が吹っ飛んだ。
「ウチの子帰してもらうわよんっ」
爆発の様な、音の正体はルッスーリア。
正確にはルッスーのメタルニーだぁ。
不法侵入だとか、器物破損だとか、そんなの全く気にしてねぇくらいの見事な壊しっぷりに、連中は、蜂の巣を突いた様な騒ぎ。
一人捕まえたからって、油断しまくりな心境が見て取れる。
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