僕らのお姫様
01
「う゛お゛ぉい…肩がこったぜぇ…。」
ぶっ続けのSランク任務明け。スクアーロの肩は悲鳴をあげていた。
少しでも解そうとするスクアーロだったが腕さえも、動かすのが億劫になる程の痛み。
かといって、解さないと痛みは和らがない訳で……。
スクアーロは、どうしようもなくソファの上で唸っていた。
内心では少しボスを恨みながら。
労災保険とか……おりるわけねえか。
そんな事も考えていたりしていた。
「あー……う゛ぁー。」
しばらくソファに横になる。
自力で解すことは、諦めるとして、横になっておけば大分楽になることに気が付いたからだ。
しかし、大分楽になったとは言え……肩凝り特有の痛みは治まらない。
やはり、腕の痛みを我慢して肩を解すべきか……否か。
「うぅ…。」
「スクアーロどうしたの?」
唸っている彼の耳に突然聞こえた可愛らしい声。
しかし……スクアーロは、その声の持ち主が本当に可愛らしいのは声だけだと長年の経験から知っている。
顔も可愛い部類に入るのだろうが、悪戯好きなのが少し残念な所。
ルッスーリアは、「まだ子供なのよ。」と甘やかしているが……スクアーロは、甘やかすから尚更に悪戯が酷くなるんだと考えていた。
「肩が凝ってんだぁ。ルビ、生憎だがお前の相手は出来ないぜぇ……。」
「えー、大丈夫なの?」
いつもなら「やーい、スクのオヤジ〜♪」とか言いそうなルビが心配そうに俺の顔を覗き込んできた。
しかも…
「そうだ!私が叩いてあげる♪」
とか言いながら、スクアーロより遥かに小さい手で一生懸命叩いてくる。
スクアーロは、まるで
「パパとかウザいしぃー」とか言っていた反抗期の娘が「パパ大好き!」 と抱き着いてきた様な気分だった。
――しかし、その時にスクアーロは気付くべきだった。絶対ルビは、何か企んでいると。――
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