僕らのお姫様
02
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ヴァリアーの皆様へ
お前達の仲間は預かった。
無事に返して欲しければ、陽が沈むまでにありったけの金を持って、街外れの倉庫まで来い。
P.S.必ず1人で来るように。警察に連絡なんかしたら人質の命は無いと思え。
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「……ありえねぇ」
「ルビちゃん、大丈夫かしら?」
ルッスーは、紅茶の入ったポットを持って席に着いた。
……意外と落ち着いてんなぁ。
「いろいろと凄いね、コレ」
「……っていうか、マフィアの暗殺部隊がサツになんか連絡出来るかぁー!!」
「で、誰か1人で来るようにって書いてあるけど、一体誰が行くんだい?」
紙切れに目を戻すと確かに、そう書いてある。
いくら間抜けな連中でも、ヴァリアー隊員が何人も来るのは危険だと、頭を使ったのだろう。
いっその事、ボスを1人送り込んでやろうかぁ。規模は知らねぇが、一瞬でカッ消されるぜぇ。
……実際、そんな事はしないがなぁ。『穏便』って言葉が辞書に無いボスのことだ、あまり派手にやらかすのはマズイ。
こんな時こそ、兄貴の役目だろ。
「ベルは何処だぁ!」
「ベルなら任務だよ」
「なっ……!」
あぁ、もうっ!
オレが行くしかねぇだろぉ!!
(ありったけのお金はどうするの?)(そんなもん必要ねぇ!!)
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