僕らのお姫様
01
「いっただきま〜す♪」
――ある日の優雅なオヤツタイム、突然それは起こった――
「っ……!!」
ヴァリアーメンバーが、ルッスーリアの手作りデザートを食べている最中のこと……
先程までニコニコ顔だったルビがいきなり絶句したかと思うと、涙目になっていて頬を押さえたのだった。
「あらん? どうしたのルビちゃん。」
もちろん、毒なんか混入されている筈も無いし、甘い香り漂うショートケーキにルビの苦手な刺激物などは一切使われていない。
所謂、原因不明。
何事かと心配したルッスーリアがルビに駆け寄った。
「気分でも悪くなったの?」
ルッスーリアは、ルビの背中を摩る。
流石、ルビのお母さん的存在と謂った所。
しかし、ルビは振り過ぎというくらいにブンブンと勢いよく、手を横に振った。
「…っ。な、なんでもないよ〜!」
ニッコリと笑うルビ。
一見すると、何事もなかった様だが……何となく顔が引きつっていて、声が裏返っている。
それに
加えて先程の行動…。
明らかに可笑しい。
皆が首を傾げる中、いつも一緒にいる兄、ベルフェゴールはそれを見逃す筈も無かった。
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