僕らのお姫様
02
「別に。書類届けて……跳ね馬に会っただけだぁ」
「羽馬? ああ、キャッバローネの子ね」
「う゛おぉぉい、漢字が違ぇ! それじゃあペガサスだぁぁあ!!」
「細かいことは気にしないの」
「…………」
跳ね馬だぁ! 跳ね馬ディーノ!! とルッスーに叫ぶ。
と……その瞬間ルビが凄まじい反応を見せた。
因みに、お茶はとうとう零れた。何気に高いテーブルクロスの、一部が薄茶に染まる。
「ディーノ様っ!!」
意味も無くアイツの名前を叫んだルビを見ると、顔が真っ赤になっていやがった。
……大丈夫か、こいつ?
そんなルビの様子にルッスーが、ニヤリと笑った。
「ルビちゃん……もしかして、キャッバローネの子に惚れ……」
「男女交際なんて許さぬぞ!」
バァアンとひびが入りそうな勢いで開かれたドア。
そこにいたのはレウ゛ィだった。鼻息が荒いのは何時ものコト。
……久々の登場おめでとう。そして早く、また長期任務に飛ばされろぉ。
意味分かんねぇことを叫んだレウ゛ィは、ツカツカとルビの方に行き……語りだした。
「良いか、ルビ。お前はヴァリアーの中で誰よりも幼女萌えに近い存在なのだ。いや、幼女と言うには年齢が惜しいがな。それでも、限りなく近い! 年齢は惜しくとも、性格や振る舞いの観点から見れば合格だ。よって、壊してはならん。まあ、年上の男に恋する背伸びしたおにゃのこ、という設定に萌えん事も無いが、保護者としてはそんなアブノーマルな橋は渡らせられん!! しかし、可愛いお前がどうしても……と言うのならば、数多の部下を纏めあげ人望もあり、苛酷な長期任務を任せられても見事にこなし、ボスからの信頼も一番厚い、このオレこそが最適だと思うのだが、どうだ?」
「嫌だ」
「アブノーマルなのはお前だろうが!! そして、誰が保護者だぁあ!」
他にもツッコミ所満載だがなぁ。
「レウ゛ィちゃん? 調子に乗りすぎはダメよん」
「なぬっ!」
レウ゛ィはルッスーのメタルニーによって、ドアの向こう側へとリリースさせられた。
頼もしい姐さんと書いて『ルッスー』と読む
(ルビちゃん、私は応援するわよ)(……ありがと、ルッスー)(?)
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