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不安なパネル
 



「花鳥、お前代表リレー出るだろ!?」

 昼休み。食堂の席についた俺達を見つけるなり、竹田が花鳥に詰め寄ってきた。

「当たり前だろ!お前こそ、出ないなんて言わないよな?」

「まさか!出るに決まってんだろ?今年こそ決着つけてやるぜ!せいぜい悔しそうに後ろから追いかけてくるんだな」

「そりゃこっちのセリフだ!お前こそバトン受け取り損ねたりすんなよ」

体育祭の前から張り合う2人は、体育祭の最後の競技である代表リレーに毎年出ているらしい。毎回張り合って引き分けで終わるこの対決はもう名物になっているらしく、体育祭が近付くと、どちらが勝つか賭ける人まで出るくらいだという。

「忍野は何の競技に出るの?」

「俺は借り物競争」

「そっか、僕と一緒だよ」

日替わり定食の唐揚げを食べながら二宮が笑う。借り物競争は特に難しいお題も出ない一番簡単な競技だと聞いたので決めた。

「久々里は?」

「んん、俺はパネル係」

「まさかの係か…」

「美術の成績が良いからって推薦されたんだ」

能力が無いと、久々里も二宮も運動神経は平均らしい。特にインドア派の久々里は競技より係を選んだという。

「炎の中を全力疾走する北京原人を描くつもりなんだ」

「…へえ」

独創的過ぎてコメントのしようがない。どんな風になるのか全く想像がつかないが、これは楽しみにしてろ、という事なんだろうか。赤組がパネル賞をとれるか非常に不安だ。


 



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