君に届け!
世界の食べ方/脱色 日番谷
日番谷夢
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あなたの剣になりたい。
あなたの盾になりたい。
「そう思っていたんですがね」
「馬鹿者」
「そう言われると思ってました」
ほら、また眉に皺が寄っていますよ。
そう言うと、あなたは少しだけ悲しそうな顔をする。
私は嬉しいのですよ。
あなたの背中を守ることができること。
こればっかりは副隊長にも譲れません。
「ずっと、そう思っていました。そうするつもりだったのですよ?」
「…そうか」
ああ、また苦しんでいますね。
雛森副隊長の時も、そんな顔をしていました。
「ずっと思っていたんです。私は隊の任務を果たせるならば、死を厭わないと」
隊を守って死ぬこと程、誇り高いことはない。
でも今は…
「日番谷隊長。もう少しだけ、生きてみようと思います」
あなたと共に闘えるように、あなたが悲しまないように。
「篠祇」
死を求めるのではない。
死ぬために生きるのではない。
大切だからこそ、共に生きるのだ。
「ようやく、わかった気がします。おちおち死んではいられません」
だいたい私がいなくなったら、誰が松本副隊長のサボリを咎めるんですか?
日番谷隊長に過労で倒れられては、おちおち成仏なんてできませんよ。
「ですからね、これからは一緒に生きてくれません?」
「それが、ついさっき死にかけてた奴が隊長に向かって言うことか?」
「あははは、怒ってらっしゃいます?」
「当たり前だ!」
あ、やっといつもの隊長に戻りましたね。
本当に、放っておけない隊長だなあ…。
「勝手に死ぬなよ、篠祇」
死ぬのは怖くない
遺されるのが、怖いんだ
優しい世界の食べかた
一緒に生きていきましょう
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