君に届け!
日常茶飯事/落乱 保健&仙蔵
※保健委員夢+仙蔵
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「待て篠祇ーー!!」
今日は、乱太郎です。
何故か立花先輩に追いかけられている篠祇先輩に捕まってしまいました。
「どうかなさったんですか?」
篠祇先輩は息を切らしておられます。
きっと長いこと逃げ回っていらしたんですね。
「乱太郎…とりあえず、保健室に匿ってくれ」
────
「なんだ篠祇。また仙蔵に追いかけられていたのか?」
保健室に着くなり、善法寺先輩が苦笑なさりました。
「また、ですか?」
「ああ、乱太郎は知らないんだな。篠祇はね、作法委員会の女装の練習に付き合わされてるんだよ」
なんでも善法寺先輩もよく付き合わされていらっしゃるようで、半分諦めているようです。
「まだ逃げ回ってるのかい?しばらくの間じっといていたら解放されるじゃないか」
「篠祇先輩は女装がお嫌なんですか?」
あれ、変なことを聞いたでしょうか?
篠祇先輩が渋い顔をしておられます。
「女装が嫌なわけでは、ない。…仙蔵に付き合うのが嫌なんだ」
はて?どういう意味なのでしょう…?
「化粧だけならまだしも、髪の手入れから仕草、着物、果てまでは除毛までやらされるんだぞ!?捕まったら最後、仙蔵が納得するまで解放されないんだ!!」
付き合ってられるか!
た、大変なんですね〜。
善法寺先輩も経験済みなのか、遠い目をされておられます。
でも、また、ということは…
「以前にも、あったんですか?」
「今月に入って既に三回、だっけ?」
「四回だ…」
「ほう。ならば今日は記念すべき五回目にしてやろう」
あ、立花先輩だ!
「こいつが迷惑をかけたな。責任をもって連れて行く」
「誰のせいだ誰の。お前が一番迷惑かけてるんだよいい加減に気づけ」
「諦めが肝心だよ、篠祇」
「伊作の裏切り者ー!!」
そうこうする内に、篠祇先輩は立花先輩にズルズルと引きずられていきました。
善法寺先輩はニコニコと笑ってらっしゃいます。
「さあ乱太郎。備品の整理を始めようか」
「はーい」
今日も平和だなあ。
今日はどうしました?
悲鳴が聞こえません?
気のせいだよ!
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