研太×和樹
羨望
「研太」
とオレの名前を呼ぶ声。
声の主は『仲村和樹』オレと同じ公立のとある中学校に通う3年生だ。
「何?かっしゃん」
オレは彼のことを
『かっしゃん』という愛称で呼んでいる。
あっちなみにオレは2年生ね。
「一緒に飛ばねぇ?」
"飛ぶ"
というのは、橋から下の川に飛び込むことをいう。
かっしゃんからのお誘い!オレが断るはずがない。
「イイよ」
オレはかっしゃんと一緒に冷たい水の中に思い切り飛び込んだ。
日も傾きかけたころ。
川の水は昼間こそ冷たくて気持ちがいいが、夕方になると寒くて入っていられないくらいになる。
みんなで面積の狭くなった日なたに集まっていた。
そこで、おのおのに自分が喋りたい事を話す。
たわいのない会話が飛び交う。
だが、みなお年頃の男の子。話しの内容はどうしても下の話しになっていく。はたからは、『下ネタ同好会』と呼ばれいるらしい。
ふと周りを見回すと、かっしゃんの姿がない。
「かっしゃんは?」
というオレの質問に
「精那と散歩に行った」
とみなが答える。
(そっか...)
と寂しいようなむなしいような気持ちになるオレ。
そうかっしゃんには彼女がいる、名前は『塢精那』
学年は1年生だ。
オレから見れば...いや誰から見てもかっしゃんは精那にベタボレだ。
もう、この二人はラブラブすぎる。
そしてかなりオープンで、人前でふつうにキスとかするし、少しは自重しろ!!!と叫びたくなる。
そして、オレはかっしゃんの愛を一身に受けている精那が羨ましくて仕方なかった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!