好きだと逝って
「やぁ、綱吉」
ちょうど小腹が空いてきた昼過ぎ、ガラッと沢田家の綱吉の部屋の"窓"から、さも当然のように入ってくる恋人に驚いた。
「ひ、雲雀さんっ!?何の前触れもなく入ってきたー!!」
「お邪魔するよ」
ツッコミを入れる綱吉を見事にスルーして、いつの間にかベッドの上にドカリと座っている。
「あ、あの…何用でしょうか…?」
「別に用は無いよ。只そこを通りかかっただけ、」
毎回同じ事を言いながら週3のペースで、綱吉の部屋に遊びにくる。
「はぁ……」
「あ、ねぇ綱吉。折角来たんだからさ」
「え、ちょ、何」
ため息をついて顔をあげると、目の前に雲雀の顔があった。突然の出来事に慌てふためいていると、ちゅっというリップ音と共に綱吉の唇が塞がれた。
「ひ…ば…」
「何、いいじゃない。いつもやってる事なんだし」
「そういう問題じゃ……」
うう、恥ずかしい。と言いながら俯く綱吉の頭を自分に引き寄せくしゃくしゃと撫でまわす。
「……………」
黙って頭を撫でられている綱吉に、優しく声をかける。
「ねぇ、綱吉」
「……はい」
「僕のこと…好き?」
「えっ!…えと、あのっ」
真っ赤になって慌てる綱吉をギュッと抱き締める。
「…ひ、ばりさん」
「ねぇ、好き?」
「あっ…す、すき…です」
更に綱吉を強く抱き締める雲雀に、綱吉は大きな子供みたいだ。と思った。
「ひばりさん、くるしい…です」
「うん」
いっこうに離してくれない雲雀に、綱吉は投げ掛ける。
「雲雀さんは、俺の事好きですか?」
言った瞬間に綱吉を抱き締める腕の力が緩まった。その隙に、綱吉は雲雀と向かい合う様な体制になる。
「ひばりさん?」
「ぼ、僕はいいだろ」
「なっ、何でですか!俺にだけ言わせて、狡いですー」
「……………」
ほんのり紅く頬を染めて、雲雀が口を開く様子はない。綱吉はそんな雲雀が可愛いと思うと同時に、狡くも感じた。
「………すね」
「え?」
「雲雀さんは、俺の事好きじゃないんですね!!」
「ちょ、えっ」
「だって…だって…、もういいです!!」
「なっ」
「雲雀さんは、好きでもない子とでもチューできるんだ!そんな雲雀さん嫌いですっ!!」
「………!!」
ぶすぅーっと、すっかり不貞腐れた綱吉をみて、雲雀は一呼吸ついたあと、先程よりも強く抱き締めた。
「うぉわっ」
「…っだよ」
「え?何ですか雲雀さん?」
「だいすきだよ!」
綱吉に抱きついて、耳を紅く染めながら叫んだ。それを聞いて、綱吉までもが頬を染める。
「え…、ひ…ばりさん、よく聞こえませんでした!もう一回言ってください!」
「嘘だろ!絶対聞こえてただろ!」
「聞こえませんでーしーたあ!」
綱吉も雲雀をぎゅーっと抱き締めるので、2人はベッドに倒れ込む形になる。
「うぉっ」
「えへへ」
「…まったく。そんなに聞きたいなら、襲っちゃうよ」
にこにこしながら、綱吉のシャツのボタンを外しにかかる。
「えっ?えっ!」
「何さ、誘ってきたのは君でしょ」
「さ、さ、誘ったつもりなんて!」
「いい加減諦めなよ。もう何回もしてるじゃない」
「そういうことさらっと言わないで…って、ちょ、ドコ触って…!」
暴れる綱吉の耳許で雲雀は囁く。
「すきだよ、綱吉」
「〜〜っ!やっぱ雲雀さん狡いっ!…あっ」
雲雀さん。どうやら俺は、貴方のその一言が聞けただけで、今すぐ死んでも後悔なんてしないと思うのです。こんな俺は馬鹿ですか
アンケートやって、甘々がいいとの票がダントツだったので、頑張って書いてみました!最後にツナくんのサービス喘ぎ(タヒ
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20090129 藍
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