これが恋というものならば、
僕と沢田は付き合っている…
と思う。僕がいつの間にかあ
の草食動物に惹かれていって
、沢田に『付き合って』とい
い沢田も『はい』と答えてく
れた。なんか涙目だったよう
な気もするけど、そこは気に
しない。
それ以上何かあるわけじゃな
くて、ただ前みたいに僕と喋
るときも泣かなくなったし、
僕が呼んだら応接室にも来て
くれる。
ただ…それだけ、
ちらり、と応接室から外を見
るとカップルが咬み殺したい
くらいにいちゃついている。
「どうしたら…」
もっと近くに沢田を感じれる
のか、というかそもそも男同
士でも大丈夫なのか……色々
と、
「………何考えてんの、僕」
考えれば考えるほど分からな
くなって、余計な所へ頭がい
ってしまう自分に嫌気がさす
。
人をこんなに好きになるなん
て今まで他人に無関心だった
僕からは、自分ですら思って
みなくて、どうやって綱吉と
接したらいいのか分からない
。
ふ、とさっきまでいちゃつい
ていたカップルがキスをして
いる
「あ…」
自分たちだけ幸せそうで、ム
カついてくる。決して今の関
係が不幸せだとは思っていな
いが、それでも何の悩みもな
さそうな、いちゃついている
草食動物たちにイラついてし
まう。ただの八つ当たりだと
分かってはいるけれど…、
「ねぇ…草壁」
「何ですか?委員長」
「恋人って…何だろうね」
そもそも僕たちは恋人なのか
「恋人…ですか、まぁ…あそ
こにいる人達みたいなのじゃ
ないですか?」
今まで僕がイラついていた原
因を指差す
「……そぅ、」
まぁ、2人は群れじゃないよ
ね
「あと…お互いを信じ合うこ
と、じゃないですかね」
「へぇ…たまには良いこと言
うじゃない。草壁のくせに」
「いいんちょ…、」
信じること…ね、まぁとりあ
えず、今日は君と帰ろうかな
約束を取り付ける為、応接室
に恋人を呼び出すメールを送
るまであと少し
これが恋というものならば、
不器用な雲雀さんと、委員長
を影ながら応援する草壁
20080716 藍
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