#01
「綱吉…」
いくら呼んでも
「綱吉…」
いくら叫んでも
「どうして…」
君は此所にいない
君を、守らせて
「君がいなくなったら、意味がないじゃないか…」
目の前には、身体中に傷を負い静かに眠る綱吉を取り囲む守護者たち
「じゅ、十代目ぇ…」
傍らで泣き崩れる獄寺
「ツナ…」
なんとも言えない顔で見下ろす山本
「綱吉くん…」
顔を歪ませ綱吉を見つめる骸
「沢田…ッ」
ボロボロと涙を流す了平
「ボンゴレ…」
必死に涙を堪えるランボ
「ちっ…ダメツナが…」
帽子を深く被り表情は見えないが、一筋の涙が頬を伝うリボーン
綱吉が死んだ
紛れもない事実
現に目の前の光景が物語っている
「君が一番生きてなきゃいけないのに…綱吉が死んだら、僕達はどうすればいいんだい?」
雲雀の言葉は虚しく消えて、いつの間にか涙を流していた
あれから月日は流れ、なんとかボンゴレも持ち直した。しかし、皆の傷は癒えることなどなく今でも深く根付いている
「綱吉…」
届かないと分かっていても、自然と出てしまう
「帰ってきてよ…」
いくら涙を流しても
枯れる事を知らず
雲雀の目を濡らす
すると突然、ボフンという爆発音がして雲雀を包む
「なっ…」
煙が晴れると目の前には、
「綱吉…」
「ひっヒバリさんー!?」
幼さの残る懐かしい僕達のボス、僕の愛しい人
「な…んで」
「ランボが10年バズーカを、ヒバリさんに向けて撃っちゃいました」
あはは、と苦笑いを浮かべる綱吉
残された時間は…
5分
「逢いたかったよ…」
ギュッと強く綱吉を抱き締める
「ひッヒバリさん!?」
「ごめん、綱吉…もう少しだけ」
ツナは、辛そうな顔をした雲雀を抱き返しながら10年後の雲雀さんはこんなにカッコイイのか、なんて思ってしまう
「どうしたんです?」
「うん…」
「逢いたかった…って?」
急にツナは、不安に駆られる
「まさか…」
こんな時、超直感だなんてものを恨んでしまう
「ヒバリ…さん?なんで、泣いてるんですか」
「…綱吉ッ、」
「俺は…10年後もヒバリさんと一緒…ですか?」
自然とツナの声が震える
「綱吉…大丈夫だよ、僕が必ず守るから…」
ふわり、とツナの口が塞がれる
優しい優しいキス
「綱吉、愛してるよ…」
「ヒバッ…」
ボフンッ
目の前には10年後の雲雀ではなく、現在の雲雀がいた
「綱吉…ッ!!」
「ヒバリ…さん、」
「僕が守るから、守るからね絶対に、」
雲雀は強く強く綱吉を抱き締める
「…はい、信じてますから」
未来なんて変えてみせる
この僕が、綱吉を
必ず守るから
「待ってるよ、綱吉…必ず帰っておいで」
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20080131 藍
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