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ありがとう



















「おい、ツナ。起きろ」



リボーンは、ゲシゲシとツナの腹を蹴る




「いっだ!!なんだよもー」

「早く起きろ。休みだからって怠けるな」

「は…、や、休みって…今日何日!?」

「ウルセーぞ。5月5日だ」

リボーンは、ツナの頭をそれがどうしたんだ。とでも言うように殴る


「いっ…たぁ。な、何時?」

「あ?もうすぐ9時だぞ。それで何をそんなに…って、」



リボーンが振り返ると、そこには既にツナは居らず、パジャマだけが無造作に投げ捨てられていた



「はやっ…」






ツナは、リボーンに時間を聞いた後、速攻に制服に着替え顔を洗い、歯磨きをして家を飛び出した。いつもなら考えられない程の速さで。死ぬ気でもこんなに速く出来ないのではないか



「はぁっ…はぁっ…、今日雲雀…さんと、やく…そくして…たの…にぃぃぃぃぃぃ!!!!!」



息を切らしながら、物凄い勢いで並盛中へと走る。待ち合わせ時間は8時、雲雀が朝早くから、ツナと一緒にいたい、と言ったからだ。珍しく雲雀から甘えて?きたのに、時刻はもう9時を差そうとしている。



「…確実に咬み殺される、」



というのは、ぶっちゃけどうでもよくて。寧ろ、咬み殺されるのは当たり前と思ってしまっている。それよりも、雲雀を待たせていることが気になって、仕方がなかった。







「はぁ…、着いた…けど、」


休みの日の学校は、さすがに静かだ。教師も数人はいるだろうが、いつもの騒がしさとは程遠い。






「雲雀さんっ!!」


ガチャッと応接室のドアを開ける。そこには、ソファに座った雲雀がいた。


「あのっ!!えと、俺…遅くなってごめんなさいっ!!」

「………」


ツナが必死に謝るも、雲雀は黙ったままツナを見つめている。


「ヒ、バリ…さん?怒って…ますよね?……っ、ごめんなさい……」


「………」

何も言わない雲雀に、ツナは戸惑いながら言う。


「お誕生日……おめでとうございます…、じゃ、俺…帰りますね」

「…んで…」



今まで、何も喋らなかった雲雀が何か呟く


「へ?」

「なんで、帰るの」

「だって…、雲雀さん怒って…俺、居ないほうがいいかなって」

躊躇いがちに、ツナは言う。




「沢田が…、帰ったら余計機嫌悪くなるけど、」

「……!…じゃぁ、俺居ていいんですか?」

「好きにしたら、」

「…はいっ」

雲雀の精一杯の『行かないで』にも、さっきまで泣きそうになっていた事など忘れて、自然と顔が緩んでしまう


「なに笑ってるの、」

「あ、いえっ!!」

「座りなよ」

ポムポム、と雲雀は自分の膝を叩く。



「え…?」

「ひ、ざ」

「えぇっ!!?」

「何?早くしないと咬み殺すよ」

「は、はいっ!じ、じゃあ…失礼します…」


躊躇いがちに雲雀の膝の上に座ると、雲雀は後ろからギュッとツナを抱き締める。

「ひっ、雲雀さん?」

「なに…?」

「あの、何でこんな体制なんでしょう…」

「一番…くっついていられるでしょ」

「はぁ…」


ツナが呆れてため息をつくと、雲雀があくびをして言った



「僕、寝るから」

「え?」

「ずっと…いてよ。僕が起きるまで…ずっと、」


ツナを抱き締める腕の力が増す


「ひ、ヒバリさん?」

「好きだよ…つ…なよ…し」

「えっ!今名前!」

「だめ、」


ツナが振り向こうとすると、ギュッと雲雀に顔を押さえられた。しかし、ちらりと見えた雲雀の耳が真っ赤になっていたのを見たツナは、クスクス笑い雲雀に体を預ける。


「産まれてきてくれてありがとうございます。…大好きですよ、恭弥さん」

「〜〜っ!!早く寝て」

「はいはい、おやすみなさい」



誕生日、こんな風に綱吉に祝ってもらえるなら、悪くないかもしれない。





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ヒバツナてか、ツナヒバ?

fin 19920515 藍





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