[携帯モード] [URL送信]
ねぇ、どこにいくの




「ツナー!帰ろうぜ」

「10代目!野球バカ抜きで帰りましょう!」

「三人で帰ろうよ……」






《2―A沢田綱吉、応接室まで来て》


突然の教室内に響く放送

「えぇっ!?今のってヒバリさんだよね?」

「雲雀のヤロー、10代目を呼びつけやがって」

「ツナ、早くいかねぇとヤバいんじゃね」



あはは、と笑いながら山本は言う

「あぁっ!!そうだった、じゃあ俺行くね!」

「10代目!俺もご一緒に」

「ありがとう、大丈夫だよ。先帰ってて!ごめんっ」

「で、ですが…」

「じゃ、行ってくるね」


ツナは手を振りながら急いで教室を飛び出していった



「10代目………」

「振られたのなー」

「ちっげぇよバカ!」















―…

「なんだろ…ヒバリさん」

コンコンと応接室のドアを叩いても返事がない


「あれ…?」


再度叩くが、相変わらず返事はない




「入っていい…よね?」

ガチャリ

「え…」


ツナの目に映ったのは、夕日に照らされて薄く紅く染まった雲雀の寝顔



「寝てる…」

そ、と気持ち良さそうに寝ている雲雀の頭を撫でる


「ホント…綺麗な顔してるよな、いつもこんな…って何言ってんだ俺…起こすのも悪いし、起きるの待ってよ…」









―…

「ん…何コレ」

雲雀が目を覚ますと、肩にブレザーが掛けてあった



「あ、やば綱吉…………って、え?」


ツナは応接室のソファーで雲雀が起きるのを待っていたが、いつの間にか寝てしまっていた



「何?寝てる…このブレザー…綱吉の?」



なんとなく状況が把握できたのか、雲雀はゆさゆさとツナを揺すり起こす



「んー…」

「ねぇ起きてよ。ちょっと」


「あと5分〜…」

「仕方ないな、って何言ってるの。咬み殺すよ」



思わずノリツッコミしてしまった雲雀は、ソファーを蹴りだす



「あだだだだ!ヒバリさんっ!?痛いんですけどっ!!」

「ありえない。僕がノリツッコミするなんて、綱吉…僕が寝てる間にナニしたの!?」

「何もしてませんよ!!てか、変換おかしいんだけどっ!!」

「まぁいいや、来たなら起こしてくれれば良かったのに」


とすん、と雲雀はツナの横に腰かける


「いや…気持ち良さそうに寝てたんで、てか何故に隣に座るんですか………」

「いいじゃない、別に」

「はぁ…で、用は何ですか?」

「…別に無いよ」

「はい?」


当たり前だとでも言う雲雀に、思わず間抜けな声がでる





「綱吉と逢うために用なんている?」

「んなっ!!何言ってるんですか!」

「ねぇ綱吉、なんで僕が呼んだか分かる?」

「わ、分かりませんよっ!」

「僕が綱吉に逢いたかったから」

「…え?」


雲雀の言ったことが信じれなくて綱吉は聞き返す


「まだ分からないの、」

「お、俺っ用事思い出したんで帰りますっ!!」


慌てて応接室のドアを開けようとした綱吉の腕を雲雀が掴んだ


「…どこにいくの、」

「はっ、離してくださいっ!」

「ねぇ、綱吉は僕の事どう思ってるの?」

「そ…そんなの、」

「僕は好きだよ。大好き」

「お…俺は、」


視線を外し俯く綱吉を引き寄せる


「なに?」

「ヒ…ヒバリさんのこと、」

「うん」

「えっと…その、」

「うん」

「…好きかも…です、」

「…そう、」

「ヒバリ…さん?」


真っ赤にしながらも心配そうに顔をあげようとすると、すっと雲雀の手で目隠しをされる


「ヒバリさんっ!?」

「今…顔見ないで、見せらんないから、」


「ヒバリさん……あの、」

「…なに?」

「大好き…です」

「…っ!バカじゃないの、」



ぎゅう、と綱吉を強く抱き締めた

「どこにも…行かないでよね」


「…はい」



僕は君を離さないから
君も僕を離さないでね



(大好きだよっ!)




20080421 藍

クロークの依存論←お題




あきゅろす。
無料HPエムペ!