シリーズ 不良君と悪魔の微笑み 「なぁ……」 「ん?なんだい、スズねむたいの?」 なんとか、顔の赤みが引いた俺は、服の裾をクイっと引っ張る。 「眠くないから……お前、今日仕事終わったのか?」 「んー……終わらせてきたけど……」 やけに歯切れの悪い答えに、首を傾げた。 そんな俺を見たアイツは、可愛いとかほざきながら、頭を撫でてくる。 やめい! 俺は、犬や猫じゃないんだからなっ!? と思いつつ 、アイツに撫でられるがままになっている。これじゃ、ほんとに、犬か猫みたいじゃねぇーかっ!! 「あ、さっきの質問の答えだけど………ちゃんと、終わらせたよ………………………自分のは」 ニコリ。 誰もが見惚れてしまいそうな笑みなのだが、今の俺には、スッゴい悪魔の微笑みしか見えない。 「あれ、スズ……どうしたんだい?寒い?」 お前の微笑みが怖いなんて、口がさけても言えない …… 「秋、近いしな………寒いかな……」 今だ鳥肌のたつ肌をさすりながら答える俺は、またもや意味深な笑顔をするアイツに、冷や汗が出てきた。 「温室の中なのに?風邪でも引いちゃったのかな………僕が優しく看病してあげるよ?」 やはり、この最強生徒会長様には、逆らえないと実感した瞬間だった。 [*前へ] [戻る] |