[携帯モード] [URL送信]
三日月と指切り◆



約束をしよう


お前を護ると


誓いを立てよう


私の全てを掛けて





「政宗」



背後から近づけばユキが振り返り微笑んだ

こいつには俺に対する警戒心がない

こいつが俺に嘘を吐くことはないし、裏切ることも無いだろう



「ユキ」

「ん?」


「何してんだ?」

「新月だ」



見上げれば細い月が孤を描く

ゴッと音がして下を見れば、ユキが寝転がっていた



「おい」

「月に約束をした。お前と共に生き、お前を守り続けると」



言って、ユキは月に向かって小指を差し出した

月には届かないだろうに、真っ直ぐに伸ばされた指

政宗はその小指に自分のそれを絡めた



「俺に誓えよ」

「‥‥ああ」



いいんだ

どうせ同じことだから


私は月に政宗を見ていたんだ

月は、何時の夜も私に寄り添ってくれた

政宗こそが私の月だ



「政宗に誓おう」




約束しよう

お前を護ると


誓いをたてよう

私のこの、全てを掛けて




2010.6.18.

[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!