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狩人のおとしまえ◆



ダンッと音を立てて、射抜かれた的が倒れた

普通は巻藁を的にするが、今はただの木の端に炭で円を描いた簡単な的だった



「弓矢の悪い所は連射が出来ないところだな」

「Ah?どっから来るんだ?その発想」



短弓を手にしたユキの呟きに政宗は不思議そうに聞き返した



「だってこれじゃあ戦で使い物にならない」

「そうか?お前この間どっかの忍、打ち落としてただろ」



でも逃げられた、とユキはますます仏頂面になる

何か解決策はないものかと考え込むが、これはもう修練あるのみだろう

ふと、ユキは矢を二本手にした

それを不思議そうに見ていた政宗が、放たれた二本の矢に声を上げる



「あっ、ぶねぇなっ!」

「悪い」



ユキが振り返れば、放った矢の一本が政宗の足元に突き刺さっていた

二本同時に放たれた矢は、一本は真っ直ぐ飛んだが的を外し、一本は高く飛び後方に居る政宗の足元に飛んだのだ



「だが、いけそうだ」

「今のがか?」



この時政宗は二本同時に矢を打つなど無理だと笑ったが、数週間後、ユキは手を包帯だらけにしてそれをやって見せた

これで多少は弓の不利を解消できると笑ったユキの顔を、政宗は忘れられない

弓の消費を考えれば、実用的ではなかったのだが




2010.11.11.

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あきゅろす。
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