茜射す夕暮れに愛を見る
「うるせーっ!俺に指図すんなミハエル!!」
「うるさいのはお前だよ。ったく、すーぐムキになっちゃって」
その言葉に頬を引き吊らせ、ユキはミハエルを睨みつける
喧嘩の発端はいつものアレだ
ユキの服装について
ユキの性別は女だが、今着ている制服は男のもの
ズボンにワイシャツにネクタイ
ユキに言わせれば、校則には違反していないという
校則第5章8則"当校に通う生徒は必ず所定の制服を着用しなければならない"
女が女の制服を、男が男の制服を着なければならないとは確かに書いてない
屁理屈のような主張だった
無論、教師も注意はするが強制的に着替えさせるようなことはない
「いい歳して協調性ってもんがないのかよ」
「生憎と最低限しか持ち合わせていない」
そこでユキはくるりと背を向けた
幾度となく繰り返したこの問答に飽き飽きしていた
ことある毎にミハエルは制服の件を指摘しユキと言い合いになる
女なんだから女らしくしろとか、その割には男女とか言うし
「いいから女子の制服着ろって!似合うから、な?」
「似合うかっ、ボケッ!!」
最後、女子の制服着るが、ミハエルの前にはでれず。
でも影から偶然みかけて「参ったな」。
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