青ざめた鳥の耳朶
眼帯がない!
ないないないないない!
先日ボスに眼帯を取り上げられてから返してもらえず、予備の眼帯を使おうと思ったらそれが無い
これはいったいどういう事だ!?
「泥棒!?」
これは由々しき事態だと、ユキはザンザスの部屋に向かう
ボスに訴えて犯人捕まえなくちゃ
「失礼しますボス!って、それ私の眼帯じゃないですかっ」
「あ゙?」
ボスの机に綺麗に並んだ眼帯が二つ
ボスに持ってかれたやつと部屋に置いてたスペア!
どういうことだろう?
いや、つまり、ボスが泥棒なのか?
「あ、あのボス、それ私の」
「テメーは暫く眼帯禁止だ」
まったく話が見えません
ユキはクラリと目眩を覚え、ソファに座り込む
ここは是非とも理由を聞きたいところだ
「あの、何故?」
「命令だ」
「理由を知りたいのですが?」
言えばボスの眉間に皺が増えてユキは青ざめた
お、怒らせた?
立ち上がったボスが近づいて来るが、本当に怒っていたら立ち上がることなく憤怒の炎で掻っ消されている
「覚悟しとけ。これから毎日弾の的だ」
「へ、あ?」
言葉の内容よりも耳元で囁かれたことに意識が向いたユキは、何も理解しないまま部屋を出た
2009.8.6.
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