会議の価値
ゆるい、ゆるいと私はよく言われる
自分にそんな気はない
だが余りにも多くの人間がそう言うので、それが私の性格なのだと最近やっと自覚した
「失礼します。遅くなりました」
「‥‥遅ぇ」
茶やら菓子やらを乗せたカートと共にユキはやっと会議に顔を出した
今日は朝から全員参加の会議だと言ってあったが、例によって例の如く、ユキは会議開始の時間には現れなかった
「何してやがった?」
「お菓子作ってましたって、ぎゃ」
―カンッ
小気味よい音を立ててフォークの柄がユキのおでこを直撃した
「あ、危ないぃっ!ちょっ、逆側当たってたら流血ですよ!」
「心配すんなぁ。クソボスがお前に流血させるわけ ドギャ」
頭に花瓶の直撃を受けたスクアーロ
当たりどころが悪かったのか、起き上がって来ない
「あ、や、そのですね?こういう頭使うことには甘いものが良いよってこの間ボスのパパが」
「あ゙ぁ゙?」
怖い、怖い
ちょっと寝坊してお菓子作りが会議の時間にかぶっちゃっただけなのに
睨まれつつもお茶とお菓子を配ってユキは着席する
その頃にはスクアーロも復活して
ま、どうせ会議なんて大した内容じゃないくせにさ
「じゃあクソボスの見合いのセッティングはルッスーリアがやれぇ」
は?
ええぇっ!?
2009.7.15.
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