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I'm your blue bird?






私はblue

ボスのblue

ボスだけのblue


私はボスの、幸福の青い鳥






トンッと、背中を押されてふらついた

手にしていたシャンパンが零れて少しドレスの胸元を濡らす

あーあー、これだからボスにお酒を止められるんだ

というか誰だ?

ぶつかったのは?


ユキは不満げに振り返った

振り返って少し驚く



「これは、ノリエガ様のところの」

「XANXUS様は何処?」


「!、ボスは仕事で遅れています」



だから目を盗んでお酒を飲んでた

ユキから見れば年若いこの女性は、どこだかの街の議員であるノリエガという男の娘でレイテといった

ノリエガはマフィアと陰で繋がりを持つ壮年の男で、最近スクアーロが連絡を受けているのを見た



「貴女、XANXUS様の女なんでしょう?知ってる?私も愛人よ」

「え?」



"愛人"

その言葉に反応しつつもユキは思った

ボスが、私を裏切る筈がない

それに私は愛人じゃなくてボスの奥さんなんだから!



「う゛ぉおい、ユキ‥‥‥なんだぁ?そのふてくされた顔は」

「スクアーロさん」



XANXUSがそろそろ戻ると伝えに来たスクアーロは、ユキの隣に居るレイテを見つけて驚いた顔をした

ノリエガの野郎、直接送り込むとはな



「お久しぶりね。スクアーロ」

「テメーに呼び捨てられる覚えはねえぞぉ。ユキ、来い」

「あらいいじゃない?少し前までは貴方が私を送ってくれたこともあったでしょう?」



少し前?

ああ、もしかして、私が眠っていた間のこと?



「テメーと話す気はねぇ。帰ってノリエガに伝えろぉ、XANXUSにその気はねぇってなぁ」

「冷たいのね」



そう言ってユキの腕を引っ張るスクアーロ

その力が結構強くてか、それともこの苛つきのせいかユキは声を上げる



「待って下さい!あの人!私が眠ってた時のボスのお相手ですか?」

「‥‥‥XANXUSはもう全部切ってる。お前が気にすることじゃねえぞぉ」



切ってるって関係を?

気にすることじゃない?




「気にするでしょう!」


「ユキ」




気にならない筈がないだろう

しかも全部って、あの人だけじゃないってことでしょう?



「ユキ、おい」

「〜〜〜〜っっ」




ボロボロ ボロ

涙が滝のように流れる

しょうがないなんて、割り切れるはずないじゃないか!

なんでなんでなんで!

なんで何にも無いふりをして結婚なんてしたんだろう?

なんでなんで、ボスはまた何も言ってくれなかったんだろう?




「ユキ、XANXUSは」

「聞きたくない!」




聞きたくない、ボスの言葉しか!

私はボスしか信じない

信じられない



「ユキ!」

「私は、ボスの、ボスのblueだもん」


「だもんって、なぁ」



半ば駄々っ子のように拗ね始めたユキに、スクアーロは頭を抱えた

涙目のユキはなおも見上げて訴える



「ボスを幸せにするのは私だもん!」




私はあなたの幸せの青い鳥

だからあなたにいつか

幸せは此処にあったと

言わせてみせるわ




2010.1.10.

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あきゅろす。
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