I'm home!
私はあなたの幸せの青い鳥
私はあなたの四つ葉のclover
だから忘れないでいて
私が居る限り、あなたは幸せじゃなきゃいけない
私はあなたの幸せの青い鳥
十年後、ヴァリアー屋敷内
XANXUSはこの上なく不機嫌な様子で椅子に座っていた
今やパーティー会場と化した普段のエントランスは、多くの人の群れで溢れている
XANXUSは不機嫌だった
三十にもなってこんな盛大なパーティーなんぞを開く羽目になったのは言わずもがなじじい(九代目)のせいだった
「‥‥‥‥‥」
「う゛ぉおい、もうちっとマシな顔しろぉ。さっきから誰も近付いて来ねえぞぉ」
スクアーロにXANXUSが答えることはない
主役である筈のXANXUSを傍らに、パーティーは続く
ユキは未だ目覚めない
待つだなどと言って、とうとう十年も経ちやがった
終わりが終わらない
今やそんな意味も解らない感覚が、XANXUSを支配していた
ユキは目覚めない
それが意味するものはなんだ
どれだけ悪戯に女を抱いても、幾つのファミリーを叩き潰しても
足りない
乾くのだ
もう足りないのが本当にユキなのかどうかさえ、XANXUSには疑問だ
いっそこの屋敷ごと今すぐ掻っ消してやろうか?
破滅的な考えに至ったXANXUSだったが、屋敷を建て直すのも面倒なことだった
その考えには年をとったものだと思った
「XANXUS、誕生日おめでとう」
「ハッ、まだ生きてやがったのかジジイ」
沢田綱吉が十代目に収まり引退してから、会うのは年に数度だった
ユキが居ればまた違ったんだろうが‥‥‥、詮ないことだ
XANXUSの考えていることを直感的に悟ったXANXUS曰くジジイは、プレゼントがあると言って部下に合図した
扉が開き、車椅子が現れる
俺が望むものは一つだけだ
たったひとつだ
ただ一人だ
「ボス」
「お久しぶり、ですね」
2009.12.14.
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