[携帯モード] [URL送信]
ありがとうボス





「ねーユキ。その包帯どうしたの?」

「てかユルユルじゃね?王子が直してやろうか?」

「うーん、これはいいんです」



ガタガタのユルユルでも、これでいい

ボスが巻いてくれたんだから

あのボスがだよ?



「うふふ〜」

「気持ち悪いよユキ‥‥」



多少二人に引かれながらもユキはニコニコと包帯を眺める

ふと庭にザンザスを見つけユキはブンブンと手を振った



「あ、ボス!ボスー」

「‥‥‥」



ユキがザンザスを呼び止めると、一緒にお茶をしていたベルとマーモンが硬直した

それに気づかずユキはザンザスの元へ走っていく



「なんだ」

「包帯が解けそうなんです」



ユキがそう言えば、ザンザスは無言でユキの手を引いた

こちらに手を振るユキを見ながら、ベルとマーモンは二度目の硬直状態に陥っていた



「ボスが」

「ありえねー」













ザンザスの部屋に着き、ユキはザンザスと並んでソファに座った

包帯を一度外すと傷を確かめられる

血は止まり、瘡蓋(カサブタ)になろうとしていた


ザンザスが包帯を巻き直していくのを見ながら、ユキはやっぱりニコニコ笑っていた



「なに笑ってやがる」

「?嬉しいからです」



包帯を巻き終わって向き合えばユキにとっては不思議な質問

ボスに触れられるのは好き

私に触れるのがボスだけだったらいいのにってすごく思う



「ありがとうボス。ボスが怪我したら私が包帯巻いてあげます!」

「‥‥‥」




そうか

なら、たまには怪我してみるか





2009.8.24.


[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!