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撃ち落とす音を聞け





路地裏に滑りこんで、ユキは銃を抜いた

追いかけてくるのは三人

一様に黒いスーツを着込んでいるなんて、マフィアだって名乗ってるようなものだ

一方ユキは白いワンピースに膝に届かないブーツを履いていた

誰もユキがマフィアだなんて思わないだろう



「そっちだ!」

「しつこいっ」



叫んで銃を撃てば簡単に男達を殺した

飛んでしまった返り血に顔をしかめる


最近こんなんばっかだ

私が何をしたと言うのだろうか?


壁に寄りかかりため息を吐いていると、殺した男の仲間だろうか、更に何人かの男達が現れた

否、さっきの男達とは違う


―ガキンッ

一瞬にして間合いを詰められ、ユキは銃底で剣を受け止めた



「!、その指輪!イワナミファミリーか!?」

「‥‥‥‥」



男が答えることはない

ユキは男の斬撃をかわすと、懐に飛び込み至近距離で立て続けに2発、発砲した

また、返り血だ



「私に賞金でも付いているか?」



ユキが低く唸って殺した男を打ち捨てた

ドサリ、足元に転がるのは四体の死体


残された男達が一瞬怯む様子を見せた瞬間、車で乗り付ける新手の男達

それを機に、我先にとユキに攻撃をし始める



なんだこれは

なんだこれは

なんだこれは

なんだこれは

なんだこれは


無駄弾は使えないから、一発ずつ急所に撃ち込んで確実に仕留める

自分の命を狙う奴らだ

罪悪感などありはしない


―ドガァンッ

「!」



突然建物が吹き飛び、殆どの男達も吹き飛んだ

ユラリと煙の中から現れた人物に、残っていた男達はバラバラと散っていった



「‥‥‥ボス?」



どうして此処に

聞く前に血で汚れた頬を拭われた


確かめるように首筋や肩や腕にもザンザスの手が触れた

ユキは傷だらけだった



「カスが‥‥」

「んっ」



ぐいっと後ろ髪を引かれ顎を上向かされるとkiss

思わず突き飛ばそうとして出た手を、片手で胸の前に纏められた




ああ、きっとボスは

撃ち落とされる鳥の気持ちなんて分からないんだ




2009.8.13.


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あきゅろす。
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