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ユキは何の疑いもなくドアを開けた

常々友達にはチェーンをかけなさいとか、誰か確かめてから開けなさいと言われていた(基本)


ああ、ごめんなさい

次からはチェーンをかけるから、誰か確かめるから、やり直しを請求します!

もしくは嘘だと言って下さい!



「よおhoney、学校では随分だったなぁ?」

「だだだだだだ伊達政宗先輩、何故このような場所にいらっしゃるんですか?」


「俺らも居るよ〜」



家に帰ってご飯食べたらとっくに忘れてた伊達政宗、とその他の二人

もうすでに玄関の中にまで押し入って来た政宗にユキは驚愕する


な、なんで私の住所がわかったんだろう?

なんで私だってバレたんだろう?

ていうかこの状況は非常にマズいのではないのか



「まあ座れよ、俺が此処に来た理由くらいわかんだろ?」

「いえまったくこれっぽっちもわかりませ「嘘は良くねーな、赤槻ユキちゃん」



人をフルネームで呼んで、しかもその手に握られた濃紺の小さな手帳にユキはまた驚愕した

とっさに制服のポケットを確認してユキは青ざめた



「せ、生徒手帳」

「Yes.」



あの時か

階段を飛び降りて伊達政宗に乗っかったあの時



「一人暮らしとは好都合だな。たまり場に使わせて貰うぜ」

「な、なんで」

「Ah?人を足蹴にして乗っかった挙げ句、頭部破壊した人間が言える言葉か?」



ああ、なるほど

確かに伊達政宗の額にはたんこぶが出来ている

だが自分がまさか生徒手帳を落とすとかベタな事をしてしまうとは、一生の恥だ




「oh?なんだその拳は」

「生徒手帳落とすとかベタ過ぎて一生の恥なので忘れて下さい、ショック療法で」



実は正座させられているユキだが、ついでに自分のことも忘れて欲しくて拳を握る

するとどうだろう

竜の左目がギラギラし始めたではないか!



「俺に喧嘩売ろうってのか?」

「滅相も御座いません!」



それから深夜まで居座られるわ、酒持ち込まれるわ、真田先輩は大声出すわ

散々な夜を過ごして翌日遅刻したユキだった




2009.12.10.

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あきゅろす。
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