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You're my only shine star.



「正室はお前だと言った筈だ」

「私は、駄目だと思います。それはいけない事だと思うのです」



始まりはこの言葉



「私は、政宗様が正室にと言って下さった、それだけで幸せに御座います」



微笑みながら、そう言った



「何も持たぬ私が正室の座にはつけません。伊達の為にも力ある大名から姫様に嫁いで戴き、政宗様のお力になって貰わなくては」



なんて出来た女なんだ

欲も無く、我が儘も言わず



「ですから政宗様、私を正室になどしなくても良いのです」



時々それが、鼻につく



「お慕いしております」



それが一番虚しい



「お守りします」



そんな必要はない



「お役に立ちますから」



だから俺が欲しいと言え



「だからどうか、他の方を御正室にお迎え下さい」



そう言って頭を下げた雪を殴りつけて、斬りつけてやりたい

何処にも出られない身体にして

誰にも見せられない顔にして

城の奥深くに閉じ込めてやりたい



「‥‥‥」



やがて頷かない俺に言葉を無くした雪

近付いて、顔を上げさせ、唇を奪い取る

戸惑いの中に喜色を見つけて、更に深くなる口付け



「You're my only shine star.」



嘘偽りのない言葉だ、雪

戦場で見つけた時からずっと手に入れたかった、天上の星



「ま、正宗様」



どうして泣く?

笑え




ああ、

どうして、どうしても、諦めらきれないの

正室にと乞われるたび、頷き、その腕に守られたがる

正室にと乞われるたび、泣いて、喜びそうになる



「雪」



名前を呼ばれれば、何処にいても側に行くわ

貴方の言葉はキラキラ煌めいて

私の心に降り注ぐのです



「You're my only shine star.」



だけど、

貴方は私だけのものじゃない

望んではいけない

守り抜きたい



だけど、

政宗様はそれを望まない




いつまでも答えは出ない




2012.4.4.

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