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世界の中心は
※多少裏表現含みます。







重ねられた手の平に、どうしようもなく胸が高鳴った

どうしていつの間にか、こんなにも惹かれていたなんて

思えば初めて戦場で見た時から目で追っていたのかも知れない


ああ、それにしても政宗殿の手は大きい

私の手なんて簡単に包み込んでしまって、さっきからずっと撫でられている



たとえば、そう

政宗殿が私だけの‥‥‥



雪はそこまで考えてやめた

無い物ねだりするような子供ではないのだから



「‥ぁ」



指と指の間を優しく撫でられて思わずビクリとする

そうすれば態(ワザ)とらしく、ゆっくりと丁寧に指に指を絡ませられてしまった



「、政宗殿っ」



「Ah?‥‥なんだよhoney」



政宗は雪の膝の上から見上げた

その口角は弧を描く下弦の月のように吊り上がる



「‥‥何でも御座いませぬ。今宵は随分と酔っておいでかと、思っただけに御座います」

「Ha!酔っちゃいねえよ」



まだ宵の口

そこまで酔っちゃいない



「昨日の活躍をな、あいつ等に聞かせてやったぜ?そしたらアンタを連れて来いってうるせーんだ」

「私を?」



不思議そうに見下ろしてくる雪に、政宗は起き上がって口付けを落とす

そうすれば面白いくらい雪の頬は赤く染め上がるのだ



「初々しいな、cuteだ」

「お戯れを」



そこに貴蝶が戻ってくるが、政宗は視線だけで追い払う



「戯れかどうか、分からせてやろうか?」

「え」



ガブリと、喰い付くように口を塞がれた

驚きに口を開けば、何か暖かいより熱いものが入ってくる


くちゅ


僅かに水音が鳴って、雪はまた羞恥に頬を染めた



「so cute.」

「ふぁ、南蛮語は、わかりま、せぬ」



―シュルリ‥‥

障子に寄りかかる形になっていた雪の帯を、政宗は簡単に解く

それに慌てて雪が逃れようとすれば、政宗は言うのだ



「so sad.」

「あ、ただ、私は」



知らない南蛮語

表情から意味を汲み取って、逃げるのはやめた

そうすれば政宗は愛おしそうに雪の頬を撫でる



「雪、いいから全部俺に任せろ」



任せろ、その言葉に胸が熱くなった

思えば雪は父親以外には頼ったことがなかった

それが何故だったのか、雪は思い出せなかった


考えている内に政宗の手が雪の右の胸に触れて、ビクリと雪の身体が跳ねる



「ぁっ」

「いい声だな雪」


「っ、政宗殿、」



ただ触れられるだけで変な感じがする

気持ちいい?

恥ずかしいのにもっと政宗に触れて欲しくて、雪は困ったように政宗を見つめ返した


その隻眼に、触れる手に、どうしようもなく心が震えて想いが溢れる


好きなのだ

伊達政宗という男が、目の前のこの男が

何故かは知らない


次の瞬間には口をついて出る



「政宗殿‥‥、お慕いしております」

「!」



完全に雪を押し倒し着物をはだけさせていた政宗の手が止まる

それに気づいた雪は慌てたように弁解していた



「申し訳ありませぬ!今の言葉、お気に触ったのならお忘れ下さいませ」

「黙れ、be quiet.静かにしな、雪」



怒って?いない

穏やかに微笑んだ政宗に、雪は呆気に取られたように惚ける



「アンタからそんな言葉が聞けるとは思わなかったぜ。‥‥‥I love you,too.」

「あい、ら、???」



まったく意味を解していない雪に政宗はまた笑う

その耳元に唇を寄せて、一度甘く噛んで、政宗は囁いた



「I love you.愛してる、って意味だ」

「あ、あい」



愛してる、愛してる、愛してる、愛してる

何度も頭の中をリピートする

愛してる


私は政宗殿を愛してる

政宗殿は私を、愛してる?


愛してる、愛してる、囁きながら政宗の手が雪の胸を無遠慮に揉みしだく

雪はそれに声を上げることしかできず、何度も何度も政宗の名前を呼んだ



「雪、雪、一応聞いとくが初めてか?」



聞かれた内容が内容だけに、雪は紅く染まった頬を更に紅くした

それが返事となり、政宗は雪の頭を撫でてやる



「大丈夫だ、優しくする、maybe(多分)」

「めい、びー?」



その次の瞬間には雪の中に政宗が押し入って、雪は悲鳴を上げた

何かを裂くような痛みと、大きすぎる質量と

挿れて動きを止めた政宗は雪に口づけを繰り返す



「‥‥ハッ、大丈夫か?」

「っ、だ、いじょうぶ、です」



ポロポロと生理的に流れる涙

身体中が桃色に色付き、傷痕はそれより色濃く浮き上がる

そしてまたそれよりも紅く色付く所有印に政宗は満足気に舌舐めずりをした



「partyだぜ、honey?鳴けよ?」

「まさ、‥っあぁぁ」



獰猛な竜は手加減をしない

奥の奥の最奥まで突き上げられて、女としての矜持を思い知らされる

ぐちゃぐちゃにとろけて無くなってしまいそうな感覚と、触れ合う素肌が心地良いと雪は思った


でもそんなのは一瞬で、中で弾けた熱いものに雪はまた声を上げた





2009.12.12.

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