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信 服





政宗は小十郎の後ろに控えるユキに目をとめた

視線だけで紹介を促すと、小十郎もユキに視線を送った



「新しく小姓に召し上げたユキです」

「昨日拾ったって奴か?」



別、と答えるべきか?

小十郎は逡巡するが政宗に対して余計な嘘をつく気はない



「はい」



そう答えた小十郎にユキは少し驚いた

ユキの怪我はもう治っているのだし、傷を見せろとでも言われて剥かれれば女だとバレる


だがユキの心配を余所に政宗は深くは聞いてこなかった


信頼、か






「信頼されているのだな」

「なんだ、急に」



政宗と別れてから、ユキは小十郎の後ろに付きながら言った

人に関わるのは好かぬとは言ったが、城主にこれだけの信頼を得る小十郎には更に興味が湧いたのだった



「竜はそんなに好い男か?」

「ふざけてんじゃねえぞ。すぐ朝餉だ」



その言葉にユキはきょとんとする

炊事場に戻ると小十郎は包丁を片手に野菜の品定め

まさか、まさかな



「小十郎、その、あの」

「なんだ?はっきり言え」



こちらには視線を向けずに言った小十郎の背中に、ユキはおずおずと問い掛けた



「料理をするのか?」

「あぁ、そうだな」



その後、朝餉の支度をする小十郎を見つめ続けてしまったユキだった

本当に飽きない男だ




2010.12.12.

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あきゅろす。
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