愛が呼んでる
「ディーノ?」
「レイ、か?」
路地を曲がろうとしたらディーノに会った
ディーノは同級生で、学校を卒業してから会ってなかったから、なんだか大人っぽくなったディーノにドキッとする
ひどく慌てた様子のその彼は鞭を手にしていた
「くそっ、一緒に来い!!」
「は?」
手を引かれるどころか小脇に抱えられるようにして、別の路地に走り込む
その壁にレイを押し付けて、ディーノは庇うように覆い被さった
「「‥‥‥‥」」
「どこに行った!?」
「こっちだ」
バタバタと遠ざかっていく足音
レイはホッとして体の力を抜いた
「ディーノ、久しぶり」
「あ、ああ。元気そうだな、レイ」
慌てて離れながらディーノは苦笑いをした
何だかよそよそしい感じがして、その違和感にレイはディーノの頬をつねる
「はにふんはほ!(何すんだよ!)」
「私に会いたくなかった?」
聞けばディーノは驚いた顔をした
レイの指をほっぺたから外してその手をぎゅっとする
バカ、逆だ
「んなわけねーだろ?追われてたから巻き込んだらマズいと思ったんだよ」
「そっか!もうキャッバローネのボスだもんね」
会えて嬉しい
そう言ってにっこり笑ったレイを抱き締めたい衝動に駆られたディーノは、誤魔化すように笑う
「駄目だ。愛が呼んでんだよ」
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